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Jason Mraz 「Know.」(2018)

 溌剌メロディと言葉数の多い躍動したポップスを並べた爽快な盤。

 "Yes!"(2014)から4年ぶり。ジェイソン・ムラーズの新譜は前作同様にRaining Janeにバックを任せた。ただ、前作ほどコラボ色は強くない。複数のプロデューサーを立てて、ソング・ブック的な色合いを強く出した。

 全10曲で40分弱とLPサイズのコンパクトな仕上がり。配信中心が主流となり、アルバムのボリュームで考えるよりも、シングルや曲単体に軸足を移す方向へ特にアメリカは変わっている気がする。いわば50年代のビジネス・モデルへ回帰のように。

 そのため日本盤ではボートラ2曲、しかも(12)がリミックスのため、本盤の魅力が減じている。ボートラをつけてお得感と差別化を図る、日本流の洋楽ビジネス形態としては仕方ないことだが。
 
 先行シングル"Have It All"でも聴かせた、超ポップなメロディは今作でも健在。特にデビュー当初の早口でメロディを叩きこむ性急な爽やかさが、戻ってきた感じ。
 なお本盤の曲は書き下ろしではなく、過去に作った曲も混ざっているらしい。
 (9)のAメロは"Don't be cruel"を連想したが、曲のクレジットはムラーズのみ。オマージュってことかな。

 ギターが爽やかに刻み、ベースと鍵盤で奥行きあるミックスだ。アナログ志向の作りだが、生演奏のダイナミズムでラフに作るよりも、細かくアレンジを追い込んだ。
 基本は弾き語りやライブ感を生かした曲だけど、響きや構成はけっこう手が込んでいる。ラフかつ素直に作るのでなく、緻密な作品に仕上げるあたりはさすがメジャーの人気歌手の盤ってことか。

 Raining Janeとコラボしながら、(3)の客演はメーガン・トレーナーを呼ぶあたりコンセプトがボケている。
 同時期に3rd"Treat Myself"をリリースする、メーガンをさらに売るための仕掛けかもしれないが。むしろRaining Janeがバック・バンドの一要素的に一歩下がった。

 とはいえ楽曲は粒ぞろい。伸びやかに若々しく歌い上げ、矢継ぎ早に言葉をメロディへ載せてくるジェイソンの魅力がいっぱいだ。繰り返し聴くたび、弾む雰囲気にワクワクしてくる。
 アコースティックさを出しながらも、複数プロデューサーが良い方向に働き、コンピかベスト盤のように曲調がそれぞれ違う。これは良い。
 陰りや内省的なネガティブな要素は一切ない。ひたすら明るく軽く爽やかに、しかし瑞々しく味わい深くまとめてる。


Track list
1 Let's See What The Night Can Do
2 Have It All
3 More Than Friends Featuring – Meghan Trainor
4 Unlonely
5 Better With You
6 No Plans
7 Sleeping To Dream
8 Making It Up
9 Might As Well Dance
10 Love Is Still The Answer

Personnel:
Jason Mraz – vocals, acoustic guitar, electric guitar, Fender Rhodes, piano, synthesizer bass, engineering, mixing, production
Andrew Wells - production, engineering, electric guitar, acoustic guitar, piano, organ, percussion
Rob Humphreys - drums, percussion
Sean Hurley - bass
Eric Ruscinski - piano, organ
Drew Taubenfeld - pedal steel, acoustic guitar
Tony Maserati - mixing
Andre de Santanna - production, engineering, bass
Leo Costa - drums, percussion
Molly Miller - electric guitar
Daniel Mandelman - piano, organ, wurlitzer

Raining Jane
Mai Bloomfield – cello, glockenspiel, hi-string guitar, marimba, papoose, vocals
Becky Gebhardt – bass, upright bass, sitar
Chaska Potter – electric guitar, mandolin, ukulele, vocals
Mona Tavakoli – drums, percussion, vocals

Producer – Andre de Santanna (tracks: 9), Andrew Wells (tracks: 1 to 8), Dan Wilson (tracks: 10), David Hodges (tracks: 2), John Alagia (tracks: 5), Jonas Jalhay (tracks: 8)
Producer [Additional] – Andrew Wells (tracks: 9)

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