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Brain Drill 「Apocalyptic Feasting」(2008)

 ブラスト・ビートが賑やかしのテクニカルなブラック・メタルの1stアルバム。

 カリフォルニア出身のブラスト・ドリルは06年にEP"The Parasites"を発表。ドラムが変わりベースを加えた4人編成にて、EPから二年後にフル・アルバムで本盤をリリースした。当時、メタル界隈では凄腕アンサンブルと話題になったらしい。
 Animals as LeadersやBehold...the Arctopusみたいなのを期待して聴いてみた。

 なおメンバーは本盤の後で変更有り。最新作の3rd"Boundless Obscenity"(2016)ではギター以外が変わってしまった。ギターがベースも録音では兼任し、ライブではベースレスのギターとドラムにボーカルと三人で活動してるらしい。

 本盤でベースを弾いたJeff HughellはソロでEP1枚と2枚のアルバムを発表。他にReciprocal、Six Feet Under、Skin the Lambといったバンドで活動とのこと。
 中でもSix Feet UnderのTorment(2017)が直近の作品リリースらしい。
 この盤ではベースとギター、作曲を担当している。Six Feet Under93年から活動するベテラン・バンドとあるが、音楽的な実権を担ったようだ。

 さて、本盤。このバンドに限らず聴けるが、"グラヴィティ・ブラスト"と呼ばれる、超高速ビートが全編を覆った。これはスネアのリムを支点にスティックを前後に素早く動かす高速ビートを叩き出すテクニック。
 ところがこのこの猛烈だが高いピッチのドラムが、アンサンブルのミックスを支配してしまった。何とも惜しい。
 
 数本のギターを重ねたリフは変拍子も交え、キメが多い。そこへ吸い付くベースも素晴らしいテクニック。だからスリルが増すはずなのに。
 矢継ぎ早に淡々とばら撒かれるブラスト・ビートが前面で軽く暴れてしまい、音像のスリルが中途半端になってしまった。

 例えばルインズ的な矢継ぎ早の展開を求めて聴いた。グロウルを中心に吼えるボーカルも痛快だし、上物はかなりのとこまで満足できる。
 けれどもハイテクニックながら単調なドラムの展開が、盛り上がりを抑えてしまった。
 マシンみたいなドラミングの凄まじさは、とてもわかるのだが。

 テクニックひけらかしに進むだけの技術はバンド全員が持っている。ダークでデスなメタルの展開ながら、リフはメロディアス。あと、歌声も。
 
 プロデュース、ミックス、マスタリングを担当はZack Ohren。さまざまなメタルの作品を担当するベテランだが、ノイズやプログレ、フリージャズ的な発想で本盤を仕上げたら、メタルに留まらぬ普遍性を持ったアルバムになったのでは。

 デスボイスからシャウトまで幅広い歌声と、派手で複雑な演奏、そしてブラストがつんざき続けるドラミング。
 メタルだからと先入観を持たず、勢いあるロックと広い耳を持って聴いたら重厚だがクリーンなサウンドづくりは痛快に聴けるはず。
 


Track list
1 Gorification 3:54
2 The Parasites 3:24
3 Apocalyptic Feasting 3:42
4 Swine Slaughter 3:11
5 Forcefed Human Sh** 1:32
6 Consumed By The Dead 3:18
7 Revelation 3:45
8 Bury The Living 4:14
9 The Depths Of Darkness 3:54
10 Sadistic Abductive 4:19

Personnel:
Dylan Ruskin Guitars, Lyrics (tracks 2, 4-7, 9)
Steve Rathjen Vocals, Lyrics (tracks 1, 3, 8, 10)
Jeff Hughell Bass
Marco Pitruzzella Drums

Recorded By, Mixed By, Mastered By Zack Ohren

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