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YMCK 「Family Music」(2003)

 チップ・チューンの草分け・・・なのかな?電気仕掛けの郷愁を感じたポップス。

 もう15年も前の盤になるのか。YMCKはヴィレッジ・ヴァンガードで人気が出たという。ぼくも人のことは言えない。当時、この本屋に並んでたCDを手に取って彼らを知った。自主製作盤の方じゃない、このUsagi-Changから出た再デビュー盤のほう。

 チップ・チューンのWikiを調べても、この8bit音源でポップ・ミュージックを作り上げたのは、どの辺が開祖か分からなかった。ぼくの記憶頼りならば、彼らがかなり初期のチップ・チューンなバンドってイメージがある。

 80年代後半、学生時代にやりまくったファミコンの音色は超人工的にもかかわらず、思春期の思い出として脳裏のメモリーへ焼き付いている。最初に本盤を聴いたときは衝撃だった。
 あの古臭くも荒っぽい音色を使って、キャッチーなポップスに仕上げるアイディアにやられた。キンキンと尖った音色は、ピーキーなゲーム・バランスも目立ったファミコンの乱暴な世界観と合わせ技で記憶に残っている。
 限られた性能とメモリを駆使して工夫した技術は、時に粗削りでやっつけ感ある音色の象徴として。
 だからこそ、FFやドラクエ、Motherの音楽センスにやられたものだが。

 YMCKはYMOの亜流タイトルってセンスとともに、80年代の素朴なコンピュータ機能をオマージュしたギャグ・ユニットかと最初は思った。"YMCA"にもひっかけていそうだし。実際は違う。現在に至るまで継続活動するしっかりしたバンドだ。
 最初はロリータな歌声が印象に残った。次に機械加工されたボーカルのテクニックに興味が移った。

 YMCKはアイディア一発のノベルティを狙ったバンドではない。ジャズなど人間臭い音楽を、敢えて8bitの限られた機能で再現するミスマッチさも行っていた。
 その究極が(10)。"Giant Steps"を打ち込みでブチかます、爽快なアイディアが痛快で凄いと思ったっけ。
 歌詞付きでポップ・ソングに仕立てたところも含めて。
 
 今聴いても本盤はキュートだ。時代背景と想い出補正が評価をよけい高める。
 潔く8bitとポップスを混ぜて、生々しさを追求してる。あえて音数を増やしすぎず、ファミコン時代のイメージを残しながらも、チープさに逃げなかった。
 エコーや卓操作で無闇にゴージャスにしなかった。
 8bitの音色を魅力として、素直にポップスに仕上げた。


Track list
1 ファンファーレ 0:19
2 Magical 8bit Tour 2:36
3 パステル・キャンディーは悪魔のささやき 2:16
4 Darling 2:08
5 POW*POW 3:22
6 Interlude 0:27
7 SOCOPOGOGO (YMCK Version) 3:35
8 Synchronicity 4:26
9 Tetrominon ~From Russia With Blocks~ 3:23
10 ジョン・コルトレーンは回転木馬の夢を見るか 4:52
11 Yellow, Magenta, Cyan and Black (YMCKのテーマ) 4:41
12 Your Quest Is Over 4:06

Personnel:
Midori(栗原みどり):ボーカル
Yokemura(除村武志):作詞、作曲、編曲
Nakamura(中村智之):映像・作曲

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