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Al Green 「Let's Stay Together」(1972)

 隙の無い演奏でクールにまとめた傑作アルバム。

 前年11月の先行シングルをタイトルに据えた、アル・グリーンの代表的なアルバム。ファルセットを使用してしなやかなセクシャルさを出したイメージは本盤で唐突に固まった。
 過去作から並べて聴くと、"Let's Stay Together"は唐突なイメチェン路線。ここらでバラードも、って企画だったのかも。楽曲はアルも加わった自作で、オリジナル路線がさらに強まった。

 本盤は周辺ミュージシャンのクレジットもあり。Hiを支えたメンバーがリズムを固めてたと分かる。音の質感はHiのデビュー盤"Green Is Blues"から大きく変わっていない。
 パシャパシャしたドラムを頼もしくベースが支え、ギターとオルガンが膨らませた。
 ドラムはハワード・グライムズとアル・ジャクソンが叩き分けらしい。2ドラムには聴こえない。
 ベースと上物はホッジス三兄弟だ。ホーン隊はメンフィス・ホーンズ。
 
 本盤は曲調のバラエティさは狙わず、質感やテンポ感を整えた。最終曲でちょっと圧をかけた凄みは出すけれど、基本はミドルからスローでまとめて、しっとりムードの演出だ。
 ホーンやコーラスで飾り、B1やB2で弦が入っても。基本はリズム隊のみのシンプルなアレンジ。滑らかだがしぶといグルーヴを出している。

 A面の流れはばっちり。B1とB2はカバーだけど、アルバム全体のムードは崩していない。
 B1は68年と数年前にスタックスで吹きこまれたエディ・フロイドのカバー。B2は前年にリリースしたビー・ジーズのカバーと突飛な選曲風味は残っているけれど。
 むしろB2は白人的な硬質な味わいが、アルバムの流れをいったんキュッと締める素敵なアクセントになっている。

 アルバム全体を聴くと、決してアルはファルセット一辺倒ではない。シャウトも使っている。ようはA1のイメージが強すぎるんだな。
 置くような声も、滑らかに歌い継ぐ喉も自在のテクニックが素敵だ。
 作曲も時に凝っている。転調し続けるようなB3の幻想的な雰囲気にしびれた。

 ぼくはサザン・ソウルって昔から苦手。けど、このHiサウンドは不思議と耳に馴染む。乾いたエレキギターのストロークが彩る、音色の質感が好みだったのかもと改めて聴きながら考えている。

Track list
A1 Let's Stay Together 3:15
A2 La-La For You 3:29
A3 So You're Leaving 2:53
A4 What Is This Feeling 3:40
A5 Old Time Lovin 3:17
B1 I've Never Found A Girl 3:37
B2 How Can You Mend A Broken Heart 6:21
B3 Judy 3:44
B4 It Ain't No Fun To Me 3:27

Personnel: 
Al Green - vocals

Howard Grimes - drums
Al Jackson, Jr. - drums
Leroy Hodges - bass guitar
Charles Hodges - organ, piano
Teenie Hodges - guitar

Wayne Jackson - trumpet
Andrew Love - horn, tenor saxophone
Ed Logan - horn, tenor saxophone
James Mitchell - baritone saxophone, arrangements
Jack Hale, Sr. - trombone

Charles Chalmers, Donna Rhodes, Sandra Rhodes - background vocals, arrangements
Willie Mitchell - producer, engineer

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