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Thelonious Monk 「Thelonious Alone in San Francisco」(1959)

 ちょっと寂しげ、しかし折り目正しい整ったピアノ・ソロ。

 "Thelonious Himself" (1957)から2年ぶり。セロニアス・モンクは59年の10月21日と22日に、サンフランシスコのフガジ・ホールで観客を入れず録音した。ライブっぽさを意識か。
 フガジ・ホールはWikiによると1913年オープンと古めのホールだったらしい。ちょっと調べたが、ずばり座席数を書いたサイトへ行きつけず。
  
 本盤では整った面持ちがある。テンポ・ルバートは控えて、楽曲もさほど長くない。一般ウケを狙った感あり。後年の"Solo Monk"(1965)ほど割り切らず、まだ制御も控えめながら。
 リズミックさをあからさまにはしないが、緩やかなスイング感を前面に出した。くるくると音楽を操りながらも、ダンサブルに触れないグルーヴさに寂しげなムードを感じてしまった。

 全10曲中、オリジナルは6曲と多め。冒頭3曲をオリジナルで固め、モンクの色を濃く塗った。
 聴きやすく、それでいてモンクの味をたっぷり味わえる。アップテンポで押さず、緩やかなテンポでじっくり曲を紡いだ。
 それでいて前述のように一曲を長くしないから、手軽にモンクの世界へ浸れる。

 武骨にガタつくリズム感がモンクの魅力な一方で、本盤は淑やかさが全編を覆う。きっちりと自分を客観視して、隙の無い風景を描いた。
 軽やかに舞いつつ、引っかかる譜割をそこかしこに仕込んで、安易な滑らかさを提供しない。自らの節回しをピアノに込めた。

 ぼくは情感過多な"Thelonious Himself"が好みではあるけれど、もっと単純かつあっさりとコクを表現した本盤にも、惹かれる。
 職人芸のような繊細さと大胆さを、見事に一枚へコンパクトに収めてみせた。

 本盤のボートラは、"There's Danger in Your Eyes, Cherie" (take 1)の収録ってのが定番だけれど。配信版で本盤のボートラ版ってのもあった。ライブ音源が封入されている。ピアノ・ソでなくドラムとベースが入ったトリオ編成なため、当時の様子を聴くにはいいかもしれないが、ちょっとコンセプトがぶれてしまうかな。演奏の良しあしとは全く別次元で。
 やはりオリジナル・シーケンスで聴くことを薦める。
 
Track list
1 Blue Monk 3:41
2 Ruby, My Dear 3:55
3 Round Lights 3:33
4 Everything Happens To Me 5:35
5 You Took The Words Right Out Of My Heart 3:58
6 Bluehawk 3:37
7 Pannonica 3:48
8 Remember 2:36
9 There's Danger In Your Eyes, Cherie 4:17
10 Reflections 5:03

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