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Tower of Power 「Dinosaur Tracks」(1999)

 80年代前半、表舞台から姿を消してた時代の貴重なコンピ。

 "Back On The Streets"(1979)を最後にコロンビアから契約を切られたToPが、"T.O.P."(1986)で復活するまでの音源は、"Direct"があった。そのミッシング・リンクを繋げるのが、本盤。Rhinoから99年に発掘リリースされた。

 録音は(1,3,4,6,8,10,14)が82年にLAで、(2,5,6,9,11,12)が83年にLAで。(13)が80年にサンフランシスコで行われた。新たなレコード契約を目指しToPは努力を続けていたと分かる。

 メンバーは"Back on the Streets"(1979)と"Direct"(1981)の中間的なメンバー。この時期も顔ぶれは流動的みたい。

 ドラムはガリバルディがまたしても抜け、"Direct"時代と同じVito San Filippo(b)とMark Sanders(ds)の顔触れ。ホーン隊では本盤のみとなる、Mark Russo(ts,as)がいた。
 レニー・ピケットはバンドを抜け(13)のみに参加。この曲には、本テイクのみ参加のVictor Pattersonなるドラマーもクレジットされている。ヴィクターは3週間しかToPに在籍しなかったという。

 アレンジはグレッグとチェスター。別にプロデューサーを立てる予算は使わず、メンバーだけでなんとかしてサウンドを仕上げていた。
(5)と(11)はホーン・アレンジもチェスターが行っている。

 楽曲はチェスターが(2,5,11,14),マイケル・ジェフリーズが(3,9,10,12)を提供した。あとはエミリオとドクの作品かな。マイケルが単なる雇われ歌手に留まらない、メンバーの一員としてToPへ貢献してた様子が伺える。

 (1)の正式タイトルは"Go and get it with your good credit"ながら、メンバーは略して"Credit"と読んでたそう。"Power"(1987)で再演された。本盤収録のテイク以外にもう一つ、レニー・ピケットが在籍時代のテイクもあるそうだ。
 (4)ではヒューイ・ルイス&ニューズが"Fore!"(1986)でカバーしたテイクの、ToPバージョンが聴ける。
 (8)は"Direct"(1981)とは別テイクで、エミリオは本テイクのほうが気に入っているそう。

 本盤に収録曲は時に(9)のようにシンセが鳴り、打ち込みビートっぽいタイトさを奏でる場合もあるけれど。基本はタイトなホーンがグルーヴィなリズムと絡む、人力ビートだ。
 ToPは流行に流されず、きっちりと自分らのサウンドを追求し続けていた。

 アルバム全体で見たら散漫さがある。統一されておらず、まさに寄せ集め。プロデュースの重要性がよくわかる。
 けれどもToPファンにとっては嬉しさ満載の発掘音源集だ。80年代初期3年間の集大成ではなく、当時の活動を発掘する愉しみを込めて本盤を聴きたい。
 個々の楽曲は、とにかく完成度が高い。スタジオのデモ録音ではなく、ライブで鍛えた自分らのレパートリーとして、瑞々しく鳴っている。

Track list
1 Credit 4:06
2 You're Something Special 4:57
3 Why Do You Do My Heart Like That 3:37
4 Simple As That 4:37
5 Your Love Is Like A Little Rain 5:02
6 Move Your Lose 4:23
7 I Think You'll Like It 4:58
8 Never Let Go Of Love 3:51
9 Got To Have Your Lovin' 3:33
10 Never To Love You More (Than Words Will Ever Say) 5:14
11 Cant' You Feel It? 4:50
12 You Took The 'L' Out Of Love 4:32
13 You Taught Me To Love 4:16
14 That's Why I Sing 4:58

Personnel:
Michael Jeffries - lead and backing vocals
Emilio Castillo - tenor saxophone, backing vocals
Stephen "Doc" Kupka - baritone saxophone
Greg Adams - trumpet, flugelhorn, backing vocals
Chester Thompson - organ, synthesizer, acoustic piano, backing vocals
Willie Fulton - lead guitar, backing vocals
Mic Gillette - trombone, trumpet, backing vocals
Vito San Filippo - bass, backing vocals
Mark Sanders - Drums
Mark Russo - Alto & Lead tenor saxophone

Lenny Pickett - Saxophones(on 13)
Victor Patterson - Drums (on 13)

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