TZ 7393:John Zorn "A Dreamers Christmas"(2011)

大人げないことはせず、全員がクリスマス・ソングを丁寧に演奏した一枚。
ユダヤ教はハヌカーでクリスマスは祝わないと思い込んでた。あんまり深いこと考えずにジョン・ゾーン流のクリスマス・アルバムを楽しもう。

キュートなイラストにシールつき。アメリカン・ポップ界でクリスマス・アルバムは色々定番だが、ジョン・ゾーンも遊び心満載に仕立てた。録音は11年3月、発売が同年10月。発売タイミングはバッチリ。
そしてもちろん、演奏はタイトなラウンジーのドリーマーズ色が全開の爽快な盤だ。そうか、スレイベルが無いからクリスマス色が今一つなのか。

収録全10曲のうち、ゾーンのオリジナルが2曲。他は定番のクリスマス・ソングを並べた。ゾーンはアレンジとプロデュースのみ。
穏やかな雰囲気は、ハッピーに盛り上げる騒然さは無い。アドリブ・ソロはそこかしこにあるが、基本はかっちりアレンジされたインストだ。
ただしアルバムが進むにつれ、アレンジは複雑かつ自由度を増した。中盤で妙なポリリズミックさを漂わせ、(7)はがっつりなジャズ・コンボ編成でアドリブいっぱい楽しめた。終盤でウィスパーはマイク・パットンかな。

アレンジは色々聴きこんだら発見がありそう。(5)や(6)で楽器同士が引っかかる感じが、なんか気持ち良かった。(9)の拍子も浮遊感が良い。
ゾーンのオリジナル2曲も、違和感なくアルバムに収まった。まあ、やればできるだけでジョン・ゾーンはわざと外しながらこれまでも活動してきただけ、だ。

マイク・パットンの歌を添える箇所だって、ひねりながらも外さない。渋い低音の呟きを(9)で聴かせた。

クリスマスのおごそかさを、ケニー・ウールフセンのヴィブラフォンやグロッケンが演出する。滑らかなマーク・リボーのギターも心落ち着くなあ。
流麗なアンサンブルは派手な鈴の盛り上げが無い分、むしろ地味な空気が漂う。破綻無い淑やかな空気。寛いだムードでのクリスマス・ソングを一杯味わえる。

Personnel;
Cyro Baptista − percussion
Joey Baron − drums
Trevor Dunn − acoustic and electric Bass
Marc Ribot − guitars
Jamie Saft − keyboards
Kenny Wollesen − vibes, chimes, glockenspiel
Mike Patton − vocal

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