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Soul Children 「Finders Keepers」(1976)

 濃密な捨て曲無しの、熱いサザン・ソウル。

 スタックスが倒産し、エピックへ移籍後初になる5thアルバム。もともと男性二人、女性二人のダブル・デュオ的なスタンスが売りのグループがソウル・チルドレンだった。
 だが本作ではシェルブラ・ベネットが抜け、男性二人に女性一人のトリオになった。
 なおメンバーのうちジョン・コルバートはJ.ブラックフッドと名義を変えて良いソロ・アルバムをリリースしてる。

 プロデューサーはドン・デイヴィス。ジョニー・テイラーのプロデュースなどで名をあげ、スタックスでさまざまな作品を手掛けた名手。レーベル移籍の一方で、まったく別のスタッフと作ったわけではないらしい。
 
 奏者のクレジットは不明だが、特にドラムの冷静なハイハット・ワークが耳に残る。ベースが緩やかにメロディアスなグルーヴを醸す一方で、ドラムはかなりクールだ。

 本盤はしょっぱなから熱い演奏と迫力ある歌が始まる。どの曲も充実で、噛みつくようなボーカルの迫力に圧倒された。
 アップとスローが満遍なく配置され、グルーヴィーなリズム・トラックにストリングスやブラスが華やかにアレンジされた、隙間ないバッキング。

 分厚い伴奏に負けず、三人が次々に声を張り上げるさまが聴きものだ。順番にお行儀よくリードを回すわけではなく、時に歌い継ぎ時に声を合わせて歌う。
 パターンが決まらず様々な手管で歌声が矢継ぎ早に迫り、聴きどころが満載だ。
 三人編成ゆえのアンバランスが良い塩梅だ。華としてアニタ・ルイスが伸びやかに歌い、男二人ががんがん攻めてくる。

 ぼくは正直、サザン・ソウルは熱すぎて苦手な部類、あまり聴いてない。このアルバムもむしろぐつぐつ煮込んだ熱気が一杯だけれど。それでものめり込んで楽しめた。

 密度が濃い一方でガチガチに計算しつくさず、場を整えながらも最後はボーカリストたちの地力に任せるプロデュースが素晴らしい。



Track list
A1 Highway 3:09
A2 Good-Bye Is Not The Only Way 3:36
A3 We Got To Get Our Thing Together 4:08
A4 If You Move I'll Fall 5:59
B1 A Little Understanding 3:17
B2 Midnight Sunshine 3:28
B3 Finders Keepers 2:52
B4 I'm Just A Shoulder To Cry On 4:20
B5 One Broken Home For Sale 5:20

Personnel:
John Colbert (a.k.a. J. Blackfoot)
Anita Louis
Norman Richard West, Jr.

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