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Ray Bryant 「Alone with the Blues」(1959)

 スケール大きくロマンティックなソロ・ピアノのブルーズ集。

 リーダー作としては4作目。70年代以降はそれなりに吹きこみはあるけれど、本盤の次にソロ・ピアノでアルバムを発表は"Alone at Montreux"(1972)まで飛ぶ。
 ならばソロ・ピアノが似合わないかと言えば、全く逆。すごくスインギーで粘っこいリズム使いでピアノを操り、ソロならではのビートの揺らしもばっちり。凄く味わい深いアルバムだ。なぜもっと、当時にソロを吹きこんでくれなかったのだろう。

 (3)と(6)以外はレイ・ブライアントのオリジナル曲。副題にBlues #とついてるとこ見ると、曲名は後付け。ブルーズってことが根底にあり、次々に吹きこんだか。
 曲はどれも切なくて寂しげ。けれどこじんまりとせず、暖かくて壮大な風景も匂わせる。

 場末のバーで深夜、静かに奏でる風景がすごく似合う。タッチは柔らかく、ダイナミクスをさりげなくつけてドラマティックな展開を作った。
 左手がかっちりとグルーヴさせ、右手は奔放にメロディを紡ぐ。譜割を揺らし、装飾音でメロディを飾った。和音と単音メロディを使い分け、時に右手と左手でさりげなくブレイクを入れる。
 どこまでも美しく、焦らない。じっくりと鍵盤に相対して、ブルーズの頼もしくも孤独な情景がふくよかに描かれた。

 堂々たる仕上がりだ。ここにはリズム隊はいらない。ピアノ一台で饒舌に語り掛け、静かで控えめな間合いを保っている。
 ピアノ・トリオ編成でこそ表現できる躍動感も、もちろんあるだろう。
 しかし自分一人だけで小粋かつ骨太なブルーズを語り掛ける、本盤での音楽は透き通って愛おしい。ほんとうになぜ、当時にもっとピアノ・ソロで吹きこんでくれなかったのか。

 地味なブルーズ集に見えて、奏でられるサウンドはとても芳醇だ。密やかなグルーヴを堪能できる。

Track list 
1 Blues #3 7:15
2 Joy (Blues #2) 3:59
3 Lover Man (Oh, Where Can You Be?) 3:52
4 Me And The Blues (Blues #1) 5:00
5 My Blues (Blues #3) 7:40
6 Rockin' Chair 5:16
7 Stocking Feet (Blues #4) 4:47

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