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Tower Of Power 「We Came to Play!」(1978)

 カラ元気でディスコ寄りの売れ線狙いだが、成功したとは言いがたい。

 タワー・オブ・パワーがコロンビア移籍の第二弾は、プロデューサーにMG'sのスティーブ・クロッパーを迎えたアルバム。2nd"Bump City"(1972)のように南部のブルージーな要素を入れて売れ線を狙ったと思われる。ちなみにクロッパーは"Bump City"でもミキシングにクレジットされていた。

 メンバー変更は本盤でもあり、ボーカルがMichael Jeffriesに変わった。ベースもロッコからVictor Conteに。ドラムはRonnie Beckが継続。つまりToPの強靭で手数多く、なおかつ跳ねるリズムは無くなった。
 なおガリバルディは(8)でドラムを叩いてる。この辺の曖昧な顔ぶれが分からない。数回のセッションでメンバー模索と言うことか。

 それでも上物ホーン隊が健在なので、きっちりToPの色は残し続けるのが本バンドの強み。エミリオ・カスティリョが仕切る限りはギリギリのところで面目を保つ。

 とはいえサウンドは五目味で迷走気味。シンセが飛び交い、時にベースラインも受け持つ。なまじ軽快なドラムなだけに、奇妙な疾走感を低音シンセは付与した。
 かなりディスコに近よったサウンドもそこかしこに。この路線に敢えてクロッパーを起用する意味も分からない。どうせならスタックスのグルーヴィーさを求めてしまう。
 なおクロッパーは (2, 3, 6, 8, 9)でギターも弾いている。

 なおジェフリーズのボーカルは、レニー・ウィリアムズに近い。どちらかと言えば一本調子。むやみなグルーヴィさがToPに似合うわけでもないけれど、わずかな味気なさも感じてしまう。
 
 楽曲もエミリオとドクで統制しきれていない。二人のコンビで作曲は共作も含んで(1,4,7)。メンバーが作曲に関与は(3,5,8,9)。外部の曲が(2,6)。
 今一つ統一感が無い。ある意味、バンドの総力戦で維持したかのよう。

 やはり否定的な書き方はしているけれど、アルバムとして聴きやすく敷居が低いのも確か。強烈なパンチ力は無いけれど、ダンサブルさを生来のベイエリア・ファンク、サザン・ソウルやカントリー風味など、さまざまな手法で表現した。ディスコを横目にタイトさを保っている。
 シンセや粘っこいギターを用いてリズムに味付けを施しつつ。

 要はエミリオとドクによるToPの真髄へ、別要素の楽曲が混ざることで多様さを産んでいる。例えば前々作"In the Slot"(1975)でボーカル務めたHubert Tubbsと、Bruce Conte(g)が共作した(5)なんて新鮮な爽やかさがある。
 シンセの音色に時代は感じるけれど、それを押してホーンとギターの絡むノリがいい。これは当時のストック曲を投入ってことか。

 メロウなストリングスで甘く盛り上がる(3)(6)(7)(9)で、スローによるメリハリも忘れない。
 ToPの代表作とか傑作とは言わないけれど。駄作と切り捨てるにはもったいない。ぼくがToPのファンなせいかもしれないが、彼らに駄作は一枚も無いと思う。それぞれの時代で、濃さや軸が変わっていたとしても。


Track list
1 We Came To Play 3:36
2 Lovin' You Is Gonna See Me Through 6:04
3 Let Me Touch You 4:35
4 Yin-Yang Thang 4:22
5 Share My Life 3:56
6 Bittersweet Soul Music 3:27
7 Am I A Fool 3:58
8 Love Bug 4:02
9 Somewhere Down The Road 4:39

Personnel
Michael Jeffries - lead vocals (all but 8)
Steve Kupka - saxophone
Emilio Castillo - saxophone, backing vocals
Lenny Pickett - saxophone, clarinet, flute, synthesizer (9)
Greg Adams - trumpet, flugelhorn
Mic Gillette - trumpet, backing vocals, trombone, flugelhorn
Bruce Conte - guitar, backing vocals
Chester Thompson - organ, backing vocals, clavinet, piano
Victor Conte - bass
Ronnie Beck - drums, backing vocals
Additional personnel
Ronnie Beck - lead vocals (8)
Clifford Coulter - backing vocals (2)
Carol Rogers - backing vocals (5)
Brooks Hunnicutt - backing vocals (6)
Karen Wright - backing vocals (6)
Lisa Roberts - backing vocals (6)
Jim McCandless - bass backing vocals (8)
Steve Cropper - additional guitar (2, 3, 6, 8, 9)
David Garibaldi - additional drums (8)

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