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B.A.L.L. 「Four "Hardball"」(1990)

 パンクとスカム、ずぶりとサイケ。散漫だが力は籠ってる。

 ドン・フレミングとクレイマー、ジェイ・スピーゲルの3人体制になったB.A.L.L.の4thで最終作。A面とB面でテーマを分け、B面は組曲式に仕立てた。
 ノイズ・ニューヨークの録音で製作はクレイマー。シミーディスクからの発売だ。

 時代性への共感が無いと本盤は聴けない。ドラッグにまみれパンクの破壊衝動を持ちながら、サイケでスカムな無意味性を追求する。
 いわゆるポップさは希薄で、ハードコアな要素もあるけれどパワーはヌルめ。ノイジーさも今の耳で聴くと軽い。当時なら、破滅的なスリルと勢いも感じたとしても。

 リーダーはドン・フレミングか。サウンドづくりはクレイマーに任せていた。お行儀よく尊重しあう仲間意識はこのバンドに似合わない。クレイマーは既にボングウォーターを稼働させ、シミーディスクの経営も勢いづいてたころ。音楽的にB.A.L.L.へのめり込んでたと考えにくい。
 スピーディなA4を筆頭に、若さゆえの疾走衝動の解消を意識してたとしても。
 結局フレミングとスピーゲルは本バンドの解散後にGumballを結成してクレイマーとは袂を分かった。

 エンジニアとして興味をクレイマーは持っていたのだろうか。ざらついた荒っぽい録音な一方で、曲ごとに微妙な音圧の違いあり。特にA5の迫力は大したもの。自分のスタジオで断続的に録音だろうか。アルバムの一貫性は今一つない。

 B面のインスト集が本盤での聴きもの。手数多く煽り立てるドラムを、ちょっと籠った立ち位置のベースがぐいぐいドライブさせる。そして炸裂するエレキギター。
 構成はシンプル、メロディよりもリズム隊の勢いとノイジーなギターのきらめきだけで聴かせる。

 ジャム・セッションをそのまま収録したようなインスト集だが、かっこいいパンキッシュな演奏の魅力だけは確かにある。
 

Track list
 Hardball
A1 Hardball
A2 She's Always Driving
A3 Timmy The Toad, Man
A4 Mary Jane
A5 The Road To Heaven
 B.A.L.L. Four
B1 Ball Four Prelude
B2 Ball One
B3 Ball Two
B4 Ball Three
B5 Ball Four
B6 R.I.P.

Personnel:
Don Fleming - vocals, guitar
Kramer - bass guitar, organ, production, engineering
Jay Spiegel - drums

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