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Playtime(1995)【Prince未発表曲】

 硬質なドンカマをクールなアクセントに仕上げたファンク。
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 2017年になっていきなり判明した未発表アルバム"Playtime By Versace"のA面1曲目に予定されていた。 
 公式盤では"The Gold Experience"(1995)の頃。当時は"Chaos And Disorder"(1996)や"Emancipation"(1996)と、世に出ただけでも多作な時期。
 他にも"The Dawn"(1994)や"New World"(1995)と未発表に終わったアルバム群もあり。ワーナーから解き放たれるべく、ライブでも"The Gold Experience"収録曲を中心に当時の新曲群を連発していた。心機一転に向けて、ひときわ録音をプリンスは重ねていたか。

 Prince Vaultによると数年後、97年頃のアフターショーなどでも取り上げたことがあったらしい。97年にはマーヴァ・キングのボーカルでスタジオ録音もあるそうだ。この企画もお蔵入りになったが。
 
 もともと女性ボーカルとデュエットを想定した曲か。ブートで流出したテイクでは、ファルセットを駆使してプリンスは歌う。
 高音一辺倒でなく、低音のラインも入れて曲へ膨らみだしている。ファルセットゆえの線の細さと絞られた声量が、鋭利な雰囲気を曲に付与した。

 もっとも耳を惹くのが、冒頭のカツカツに固いリズム・ボックスの音。ビートを流しっぱなしでワンコード・ファンクを作り上げた。プリンスのお家芸であり、なおかつなまめかしい線の細いボーカルが付与されて、独特の色気が出ている。
 
 ビートは変わらず、ギターや鍵盤、ハーモニーがアクセントを出す。大サビで変わらぬテンポはむしろもどかしい。ここだけ少しテンポ上げて生演奏っぽくしたら、がらり印象が変わるポップ・ソングになったかも。
 多重ボーカルを駆使したアレンジは見事。この曲では主旋律をあまり曖昧にさせない。ファルセットを軸に据えて、彩りにコーラスをつけた。

 プリンスは次々に録音しており、デモテープと完パケ版にどの程度区別をつけていたかは本人のみぞ知る。この曲も、これが完成版と言われればマシーン・ビートを上手く取り入れたファンクに聴こえるし、手の込んだデモと言われたら「ああ、確かに詰めが甘い」とも取れてしまう。

 とにかく、この曲がカッコいいことだけは確か。前半は起伏無くグルーヴに乗ってプリンスのファルセット中心で軽やかで妖しいメロディに酔う。そしてブレイクからのサビでキャッチーなメロディに惹かれる仕組みだ。

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