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McFadden & Whitehead 「McFadden & Whitehead」(1979)

 文句なしの大傑作。むしろ古めかしいスタイルなのに、エヴァーグリーンな魅力を持つ。

 PIRの作曲チームとして活躍したマクファデン&ホワイトヘッドが79年に発表したリーダー作。いかにも遅い。PIR活動初期から貢献してる彼らなのに。本人らが前に出ることへ興味持たなかったのか、ギャンブル&ハフが許さなかったのか。
 たとえばバニー・シグラーなんて何年も前に歌手としてデビューしてたのに。

 のちにハロルド・メルヴィン&ブルーノーツに参加するLloyd Parksらと、マクファデン&ホワイトヘッドが組んだグループ、イプシロンズがシングルを出したのは60年代後半。"The Echo / Really Rockin"(1968)と"I Can Get A Woman / Lost Love"(1972)。Discogsでレーベル写真を見ると、前者は両面をボビー・マーティンがアレンジ担当してる。
 逆に作曲でマクファデン&ホワイトヘッドが目立たない。"Lost Love"の共作者にマクファデンの記載があり。
 今はありがたいね。ネットでこういう情報がすぐ手に入る。"Lost Love"の音源もYoutubeにあった。フィリーと言うよりサザン・ソウルな印象を受けた。


 ともあれマクファデン&ホワイトヘッドはPIRで次々とヒット曲を作る。ギャンブル&ハフも彼らを重宝したと思われるのに。本盤ではギャンブル&ハフのクレジットが見当たらない。なぜだろう。
 
 本盤の作曲とプロデュースはマクファデン&ホワイトヘッドにJerry Cohen。録音はシグマで、ホーンとブラスもたっぷり使用した。まさにフィリー・ソウル。ギャンブル&ハフの力を借りず、往年の美学をたっぷりつくり、PIRサウンドを体現した。

 とはいえ本当なら、時代遅れ。リアルタイムで本盤を聴いてたわけじゃないが、79年にこのアプローチは数年遅い。
 今となってはこだわるポイントではないのかもしれない。けれどもPIRのキャリア後期の79年じゃなく74年くらいに本盤が出てたら、評価は大きく変わっていたんじゃないかな、と思う。

 生演奏に拘った本盤だが、シンセが鳴る場面もある。けれどもそれらは調和して、古びも突飛さもない。このバランス感覚と普遍性が本盤の魅力だ。
 ごきげんなアップテンポのA1を筆頭に、収録曲はどれも素晴らしい。捨て曲が皆無。ソウルの盤はたいがいが、アップテンポって古臭く思えてしまうけれど。本盤に限ってそれは無い。ディスコ風の楽曲も生演奏の逞しさが手伝って、色あせない躍動感を持っている。

 レーベル仲間のフューチャーズをバック・コーラスにつけて、ワクワクする華やかさが本盤にはある。マクファデン&ホワイトヘッドはほとんどアルバムを残さなかった。
 "I Heard It In A Love Song"(1980)をPIRの関連レーベルTSOPから続けて発売、あとは"Movin' On"(1983)をキャピトルから、ってくらいのようだ。

 でも本盤を残してくれたことに感謝、かな。何回聴いても飽きない。

 ちなみに最終曲のB4でわずかな艶めかしさを持つメロディが好きだ。なぜかこれを聴くたびに、ぼくはプリンスを連想してしまう。音楽性は似てないのに。


Track list
A1 Ain't No Stoppin' Us Now 7:02
A2 I've Been Pushed Aside 5:13
A3 Mr. Music 5:10
A4 Just Wanna Love You Baby 3:58
B1 Got To Change 6:00
B2 You're My Someone To Love 4:38
B3 I Got The Love 3:32
B4 Do You Want To Dance

Personnel:
Gene McFadden - vocals
John Whitehead - vocals
Bobby Eli, Dennis Harris - guitar
James Williams - bass
Jerry Cohen - keyboards
Keith Benson - drums
Bobby Cupid, David Cruse, Don Renaldo - percussion
Barbara Ingram, Carla Benson, Evette Benson, The Future - background vocals

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