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Mogwai 「Rock Action」(2001)

 静かでも喧しく、ノイジーでも密やかな音楽がある。

 モグワイの3rdは前作から2年ぶり。プロデューサーは同じくマーキュリー・レヴのデビッド・フリッドマンを迎え、音像はグッとカラフルに仕上げた。
 けれども本質と透徹で自制された世界観はそのまま。統一された流れは確保され、なおかつ多彩な風景が封じ込められた。

 暗めのトーンとドラムが主軸で、揺蕩う流れを作った前作。今作はドラムよりもギターが主軸か。三連もしくはアルペジオ。波打つフレーズがミニマルにひらひらと支えた。もしくは漂う空気を保った。

 基本はインスト。前作と異なった鮮やかな香りが広がる、明るくて力のこもった質感だ。その一方で、きっちりと周りへバリアを張り、夾雑物や外敵ノイズから身を守る自己防衛っぷりは健在。
 観客の存在よりも事故を追求する求道性は維持された。

 SlintのDavid Pajo、Super Furry AnimalsのGruff Rhys、Snow PatrolのGary Lightbody。さまざまなバンドからゲスト・ボーカルを招きながらも、歌モノには仕上げない。彼らは数曲を彩るだけ。あくまでも主体はミニマル気味なインストだ。

 モグワイはライブのデカい出音が有名らしい。本盤でも確かに轟音が似合いそうな曲もある。だがノイズ・ミュージックの本質は「小さな音でも素敵」なのが傑作だと、ぼくは思う。
 音色とパワーさえあれば実際のボリュームは問題ではない。逆に小さい音でも違った魅力があるし、もちろん大きい音だと迫力を増す。

 本盤でのサウンドは、まさにそれ。ボリュームに支配されない、美しさが詰まっている。
 さらに強力なのは、小さい音でも凄みを維持してる点だ。この芯の強さはなかなか出せない。

 本作は40分余り。LP時代の時間感でまとめ上げ、前作よりもコンパクトかつ集中させた。長尺が欲しい人には(5)や(7)がある。

 張りつめた音色へのこだわりと、オーケストレーションを意識したアレンジが見事。ピアノやギターにアンビエント成分を足し、残響から妖しく漂うスリルを引き出した。
 骨格のみを抽出しつつ、確かな存在感を作る。
 編集はプロ・ツールズの嵐なのかな。実音と加工された音が見事に溶け合った。

 そして本盤でもひとつながりの物語性を持たせた。アルバムは様々に録音した曲から選び抜いたらしいが、確かな統一感を持たせてる。素晴らしい。


Track list
1 Sine Wave 4:55
2 Take Me Somewhere Nice 6:57
3 O I Sleep 0:55
4 Dial: Revenge 3:28
5 You Don't Know Jesus 8:02
6 Robot Chant 1:03
7 2 Rights Make 1 Wrong 9:31
8 Secret Pint 3:37

Personnel:
Mogwai
Dominic Aitchison - bass
Stuart Braithwaite - guitar, vocals
Martin Bulloch - drums
Barry Burns - guitar, keyboard
John Cummings - guitar, piano

Additional musicians
David Pajo - backing vocals on "Take Me Somewhere Nice"
Gruff Rhys - vocals on "Dial: Revenge", backing vocals on "2 Rights Make 1 Wrong"
The Remote Viewer - programming and banjo on "2 Rights Make 1 Wrong"
Willie Campbell, Charlie Clark, Gary Lightbody - backing vocals on "2 Rights Make 1 Wrong"
Michael Brawley - strings and horns on "Take Me Somewhere Nice" and "2 Rights Make 1 Wrong"
Dave Fridmann - strings and horns on "Dial: Revenge" and "Secret Pint"
Credits

Produced and mixed by Dave Fridmann

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