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Elf Power 「Vainly Clutching At Phantom Limbs」(1995)

 デモに毛が生えた内省的なワンマン・バンドの作品集。

 エルフ・パワーの実質的なデビュー・アルバム。Wikiによると本作の前に"Curse of Yoth-Bal-Tzar"、"Hekinah Degul"と2作のカセットを製作とある。
 本盤は95年に自主製作で発表、のちにArena Rockから再発された。

 どれも2~3分の小品で全17曲のボリューム。冒頭からチェロの響きが現れて凝った風情だが、数曲でゲストを招いてるだけ。実質はエルフ・パワーのリーダー、アンドリュー・リーガーの多重録音っぽい。
 なおゲストのうち、Laura Carterはそのままエルフ・パワーに参加。他のメンバーはミュージシャンとして活動は継続しなかったようだ。

 それも多楽器奏者で小宇宙を創る方向性でもない。ほとんどはギターにリズムやコーラスをうっすら乗せたていど。弾き語りのベクトルともズレている。どちらかというと、スケッチ集やデモテープって言葉のほうが馴染むサウンドだ。

 メロディ追及や歌詞でメッセージを歌うSSWや、宅録で作りこむ内省さも希薄。そもそもロック的なダイナミズムも狙ってなさそうだ。ノイジーな要素を出す場面もあるが、ローファイやスカムの追及とも違う。
 想定する聞き手は、いたのだろう。しかしライブで披露をテープに落とし込みって感じでもない。

 宅録が周りで流行っていたのだろうか。エルフ・パワーはのちにエレファント6で名を馳すアセンズ一派のひとつ。
 創作意欲を感じながら、覇気に欠ける不思議な雰囲気の作品。ちなみにメロディ・センスは素朴ながら微妙なポップ性を持つ。ハーモニーやリズムにもこだわりありそうだから、もっと作りこんでも不思議じゃない。やはりデモテープだったのかなあ。

 ところどころに耳を惹くポップさが配置され、ときにノイジーさを恐れぬ前衛っぷりもあり。気だるさはあるが、聴いててつまらないアルバムではない。それが逆にこまりもの。とりとめないけど、アイディアは持っている。

Track list
1 Pioneer Mansion
2 Temporary Arm
3 All Your Experiments
4 Finally Free
5 Drug Store
6 Loverboy's Demise
7 Slither Hither
8 Circular Malevolence
9 When The Serpents Approach
10 Surgery
11 Vainly Clutching At Phantom Limbs
12 Arachnid Dungeon Attack
13 Grand Intrusion Call
14 Monster Surprise
15 Heroes And Insects
16 The Winter Hawk
17 Exalted Exit Wounds

Personnel:
Andrew Rieger - guitar, vocals, flute, organ, bass, drums
Eric Ledford - cello (1),(13)
Raleigh Hatfield - guitar (1)
Laura Carter - drums (2)
Dave Rathgeber - vocals (10)

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