Don Patterson With Booker Ervin 「Hip Cake Walk」(1964)

 ぐいぐいと、かつ輪郭鋭い。ファンキーなソウル・ジャズ。

 ドン・パターソンの3rdリーダー作でプレスティッジから発売の本盤は、ブッカー・アーヴィンを全面に出したトリオ編成。(4)だけブッカーとLeonard Houstonも加わった2管編成。
 同年にヒットしたドリフターズの名曲(5)のみ、オルガンとドラムのデュオで録音された。
 前後の作品でもブッカーとドラムのBilly Jamesは組んでおり、これが当時のレギュラー編成か。

 なおLeonard Houstonは活動がネットで追えない。他には同時期のドンの作品"The Exciting New Organ of Don Patterson"(1964)くらい。誰かの変名?ブラインドで当てるほどの耳をぼくは持っていないが。

 楽曲はカバーの(5)を除きドンのオリジナル。ほんのりブルージーで、ジャズよりR&B的な香りのする軽快なムードが並んだ。

 前半はフェイドアウトもあり、物足りない。聴きやすさを優先か。
 16分越えでスロー・ブルーズを粘っこく弾き倒す2管の(4)が本盤のクライマックスだ。
 じわじわとヌルいテンポでライド・シンバルをゆったり鳴らすドラム。そこへ各々がじっくりと長尺ソロを重ねた。リズムが怪しい以外は、意外と緊張したムード。しかしこれもフェイドアウト。全尺は無いのか。

 本盤は64年の5/12に(4)、6/10にそれ以外の曲を録音で構成。したがってアウトテイクもどっさりあり、2010年に欧州のGroove Hut Recordsがボートラ5曲入りで再発してる。
 発掘テイクではロリンズの"オレオ"やスタンダードも数多く演奏されており、本盤ほどの削ぎ落された選曲ではない。
 逆に本盤がドンのオリジナリティに着目した演出なんだと、よくわかった。

 ちなみに本盤は入手性がけっこうCDだとめんどくさそう。AmazonではCDが廃盤。Amazon Music Unlimitedにはあるが、曲順を逆に入れ替えたブート臭い"Id Like To Hear That Song Again"のタイトルになっている。ジャケ画像も異なった。
 
 とはいえ歯切れ良いタッチのオルガンに、滑らかなサックスが寄り添うファンキーさはかっこいい。
 ずぶずぶに漂う(4)であたりを黒く染め、お遊びのように(5)でアンコール風に雰囲気をあげて幕を下ろした。
 
Track listing:
1 Sister Ruth 5:00
2 Donald Duck 5:45
3 Rosetta 7:15
4 Hip Cake Walk 16:40
5 Under The Boardwalk 2:50

Personnel:
Don Patterson - organ
Booker Ervin - tenor saxophone (tracks 1-4)
Leonard Houston - alto saxophone (track 4)
Billy James - drums

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