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Sonny Stitt 「Deuces Wild」(1966)

 軽快に吹きまくるハード・バップ。サイドメンでは、オルガンが熱く鳴った。

 ソニー・スティットは録音が多いわりに発売レーベルが同時代で多岐にわたる。Wikiのディスコグラフィーを眺めても、活動の脈絡が分からない。例えば本盤を録音した66年だけでも、以下の4枚が記載あり。

1966: Soul in the Night (Cadet) with Bunky Green
1966: What's New!!! (Roulette)
1966: I Keep Comin' Back! (Roulette)
1966: Deuces Wild (Atlantic) with Robin Kenyatta

 カデット、ルーレット、そして本盤のアトランティック。レーベルはバラバラだ。その前後の年を見ても、プレスティッジやデルマークなどさまざまなレーベルが記載ある。おおよそこの時期は、ルーレットとプレスティッジが主戦場の様子。
 レーベルと所属契約をせず、スポット契約のように活動か。

 本盤の発売は67年。66年9月の録音だから特に発掘録音ってわけもない。唐突にアトランティックに本盤から出たようだ。
 編成は突飛で、A面はオルガンを入れたベースレスのトリオ・ジャズ。B面に二人のゲストが加わった。

 全7曲中2曲にサックスでRobin Kenyatta、(7)にはバグパイプでRufus Harleyが加わった。なおロビンは本盤がデビュー録音らしい。
 一日で録音を終えたようなので、ずいぶん脈絡のないセッションだったみたい。

 ジャケにはロビーとルーファスの名がしっかりクレジット。もしかしたらアトランティックが彼らを売り出す箔付けにソニーの名を借りたの?
 A面はスタンダードの(2)以外はソニーの曲。B面のロビンが参加した2曲はロビンの曲、ルーファスが参加の(7)はルーファスの曲としっかり2人を立てている。

 なおオルガン奏者はWilmer Mosbyとクレジットだが、これは当時にソニーが何度か共演してたDon Pattersonの変名。契約の都合か名義を変えて参加してる。

 矢継ぎ早にフレーズを繰り出すソニーのサックスと、ドンの分厚くファンキーなオルガンの絡みがまず聴きもの。
 さらにロビンが加わった曲では、彼の線が細くフリーキーなサックスとの対比が面白い。ソニーがストレートなしなやかさとしたら、ロビンはひねりよじった粘っこさをちらつかせた。(4)でのソロ交換が象徴的だ。

 (7)はバグパイプの音色がつんざくよう突飛な構成ではない。最初は2ホーンのオーソドックスなジャズに聴こえるし、その後のオルガンとソニーのテナーが絡むスペースはスピーディながらもゆったりしてる。
 バグパイプの硬質さはそのあとに登場。ドローン風の音色を背後に置きながら甲高いフレーズがブルージーに雪崩れた。音使いは普通なのに音色が奇妙さを演出した。

 コンパクトな構成で、ゲスト二人が世界を泡立てる。基本はオルガンを軸の熱いジャズで楽しい。少し線が細いかな。
 
Track listing
A1 Deuces Wild 5:24
A2 My Foolish Heart 4:40
A3 Blues Ahead 4:15
A4 Sittin' In With Stitt 3:59
B1 In The Bag 6:19
B2 Me 'N' You 3:16
B3 Pipin' The Blues 5:49

Personnel:
Sonny Stitt - alto saxophone, tenor saxophone
Robin Kenyatta - alto saxophone track 5 , soprano saxophone track 6
Wilmer Mosby - organ
Billy James - drums
Rufus Harley - bagpipes (track 7)

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