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Amy Wadge  「Amy Wadge」(2016)

 繊細で、しかし芯の強いメロディをくっきりと歌うアルバム。

 ウェールズ地方で活動する英SSWの4年ぶり8枚目のソロ。自らの作品だけでなく、エド・シーランを中心に作曲家活動も行っている。本盤では彼の"Thinking out Loud"をカバーした。 (6)(7)は彼女の4th"Bump"(2008)のセルフ・カバー。
 
 詳細のクレジットは不明だが、弾き語り一辺倒でなく鍵盤やリズムも入る。だがバンドと言うより一人多重録音のような面持ちのサウンドだ。デモテープのように簡素なアレンジ。
 決してやっつけではない。メインがアコギの弾き語り。ギターの多重録音で音像にふくらみを出し、ピアノで味付け。カホンみたいなシンプルなリズムを時にパラリ。ハーモニーも多重録音かな。
 
 柔らかくナイーブな雰囲気のアレンジながら、気の強いしっかりしたムードが全編を覆う。かぼそく線の細いたおやかさではない。喉をきっちり使ってメロディを紡いでいく。語り掛けるような密やかさもある。けれどアルバムを聴いて感じるのは、確かな歌の存在感。
 10年以上のキャリアを持つしたたかさが、優しいメロディはそのままに歌へ滲むかのよう。

 もっと飾ったアレンジでも映えそうな楽曲だ。しかし過剰な装飾が逆に、この歌の切なくも壊れそうなムードを崩しそう。
 どちらかと言えばアメリカ的なフォーク風味が味わい。シンプルなアレンジにごまかされるが、メロディ・ラインは確かだ。するりと耳へ沁み込んでいく。もっと売れ線でも映えそうな旋律。しかしそういう方向性には進まないみたいだな。
 
Track listing:
1.Scream
2.Here In My Hands
3.Always
4.USA? We'll Wait and See
5.Free Fall
6.Mocking Bird
7.These Are The Songs
8.Older
9.Thinking Out Loud
10.One Last Dance

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