Fred Van Hove / Wolfgang Dauner 「Requiem For Che Guevara / Psalmus Spei」(1969)

 それぞれの道を進む欧州フリー・ジャズを対比で収めたLP。

 68年11月のベルリン・ジャズフェスでのライブ録音。同じフェスでドン・チェリーは"Eternal Rhythm"を披露し、音盤化した。
 当時の時代背景や本盤に至る過程は不明だが、A面とB面で違う場所の録音。同世代の欧州フリージャズの面々が集まって、それぞれの音楽性を披露したかっこう。

 A面は教会コーラスを集めて荘厳かつ混沌を披露した。ドイツの生真面目ながらクラシックも含めて過去と連結をある程度意識するスタイル。
 B面は抽象的かつコンボ編成で過激に空間を埋め尽くす方法論。ぼくがイメージする欧州フリージャズはこちら。

 欧州フリージャズは爆裂で疾走する志向が全盛と思い込んでただけに、本盤での明確な多様性は興味深い。歴史や切り口で残った方向性だけでなく、多様な価値観や志向があってこそのシーンだ。

 B面では無秩序を志向しつつも、完全なフリーではない。明確なテーマのメロディも存在する。また、ホーフがオルガンを奏でることで、こちらにも重厚さが付与された。
 聴きやすさで言えばA面。鮮烈さで言えばB面か。

 ジャケットのゲバラが示す通り、特にB面は政治性も意識したレクイエムと表題につけた。
 時代性を意識し、歴史を踏まえないと味わいにくい盤かもしれない。でも、当時の雰囲気を味わえる。もう少しこの分野を勉強したあと、戻って聴き返したら違う感想を持ちそう。

 LPで入手はそれなりに手間かもしれない。CD化は無いのかな?いずれにせよAmazon Music Unlimitedで容易に聴ける。


Track listing/Personnel:
A面
Wolfgang Dauner"Psalmus Spei For Choir And Jazz Group" 13:07

Bass – Jürgen Karg
Cello – Eberhard Weber
Conductor – Klaus Martin Ziegler
Drums – Fred Braceful
Organ, Melodica [Hohner-electra] – Wolfgang Dauner
Tenor Saxophone – Gerd Dudek
Trumpet – Manfred Schoof

B面
Fred Van Hove"Requiem For Che Guevara, Martin Luther King, John Fitzgerald And Robert Kennedy, Malcolm X" 17:30
Bass – Peter Kowald
Drums – Han Bennink
Organ – Fred Van Hove
Saxophone – Cel Overberghe, Kris Wanders, Willem Breuker
Trombone – Ed Kröger

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