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Nusrat Fateh Ali Khan 「Supreme Collection Vol. 1」(1978)

 もしかしたら、けっこう初期のヌスラット盤。

 ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの音源は膨大にある。100枚以上あるらしい。ただしディスコグラフィーとか時系列分析って観点で語られない人なため、歴史の詳細はさっぱり。思い切り人任せになってしまうが、どこか緻密な記録はどこかに無いものか。
 ヌスラットの歌唱やスタイルが時系列でどんなふうに変貌したか興味あるけど、よくわからない。カッワーリーへも知識不足、どういう切り口になるのか。
 喉を震わせるスタイルなのか、単純な歌唱技術なのか。構成なのか、選曲や歌詞の選び方なのか。
 演奏は太鼓とハーモニウムにコーラス隊ってアレンジは変わらないようだが、時代によって微妙に変化有りそうな気もするし。ちなみに本盤ではときどき、か細い笛の音もあり。

 ヌスラットの音源そのものは、今は容易に聴ける。AMUでもどっさり。5~6時間分の音源が入ったベスト盤もあれば、当時のパキスタンで流通してた風なシリーズ物のタイトルもある。
 ただしいかんせん、時系列やクレジットが不鮮明。なるべく古いのを聴いてみたいな、と選んだのが本盤。

 Amazon上では78年のEMIパキスタン盤とあるが、これもどこまで信用できるやら。
 全3曲入り。いちおう片面30分弱のカセットには収まりそうだ。

 歌詞も分からず聴いており、どういうストーリーや構成かは不明だけれど。最初は静かに、次第に加速するって流れではない。
 あるていど一定のテンションをキープして、ときおりぐわっと盛り上がる。14分が2曲、28分が1曲。それぞれの曲でさほどのアレンジや大きな違いはない。
 かなり自由度高く盛り上げて行けるのでは。

 たぶんこの音源はパキスタン現地向け。余計な装飾やコケ脅かしは無く、純粋にスーフィズムにのっとってると思われる。
 ぼくは伝統純粋べったり主義ではないが、妙な観客への媚がないぶん異文化に触れるダイナミズムが深い。

 聴きどころはやはりヌスラットが高らかに吼えたところ。そこからグイグイと盛り上がる雪崩れの勢いだ。歌のテンションが上がりながら、太鼓は冷静に牽引する。ハーモニウムもぶかぶかと鳴るだけ。この盤は編成が少なめ。ハルモニウムが一人、パーカッションも一人かな。

 歌声と一緒にリズムや演奏も高まってはいる。けれども伴奏の立ち位置は崩さない。歌声を押しのけて演奏が弾けない。
 そんな演奏の奥ゆかしさと、どんどん盛り上がる歌声の対比に熱くなる。
 特に(3)はテンポが緩めに始まるだけに、加速度と高低さが凄い。

 ヌスラットの歌声は奔放で、リズムへの絡み具合が美味しい。拍頭を自在にずらし、アクセントの位置を揺らしながら、奇数連符をブチ当てた。小節線を軽やかにまたいで、音程を微妙に操った。
 別に西洋音楽的な小節線や拍子を気にせず歌ってるはず。
 とはいえジャストなテクノを聴きまくった後、ミニマルになった耳でヌスラットを聴くと、リズムへの絡み方や同じフレーズを崩していくさまが肉感的で面白さが増した。

Track listing:
1.Data Ke Ghulam Ko 14:06
2.Be Wafa 14:48
3.Dil Jis Se Zinda Hai 28:24

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