Albert Ayler "New Grass"(1969)

音楽感想を書く合間に、気分転換で聴いた音楽のメモをしよう。

本盤はインパルスから発売、ソウルに目配りしたアイラーのアルバム。
川下直弘トリオでお馴染みの"New Generation"が収録されている。


"Sun Watcher"、"New Ghosts"以外は、当時のソウル系で売れっ子プロデューサー、Bert DeCoteauxにアレンジを依頼した。ドラムはバーナード・パーディに固定し、グルーヴ狙いは間違ってないが、どこか野暮ったい。

アイラーの豪放なサックスもさりながら、どこか野暮ったくチグハグなアンサンブルだ。ジャズメンとソウルって食い合わせ悪くないはずなのに。歌が下手くそなのか。歌手のSoul Singersは、詳しい情報なし。

逆に"Sun Watcher"はシャキシャキしたビートに乗って、濁った粘るサックス・ソロが伸びやかにハマって気持ちいい。フリーキーなサックスは左右のチャンネルを派手にパンする大胆なミックスが施された。涼やかなフラジオも見事なノリだ。フレーズよりも雰囲気一発で唸らせる勢いあり。

その割にピアノのCall Cobbsがどうにもぎこちない。アイラー・バンドはノリとか上手さって度外視のアンサンブルか?"Sun Watcher"はワンホーンでもいけそうだが、敢えて次々と楽器を持ち替える多彩なアレンジが見事だ。途中の土笛みたいな、へにゃった音まで混ぜるアイラーの大胆なセンスが楽しい。フェイドアウトが残念だが。

続くB1の"New Ghosts"も冒頭からダブ処理が色々。このサイケなノリは時代か。ただし演奏が進むとがっつりファンキー。どぶどぶに濁ったアイラーのサックスが辺りを埋める。リードミスすれすれの、でひょっとした響きが何とも耳に辛い。
要するにこの2曲、バート・ディコーティのアレンジが入って無い分、素直にジャズとして聴ける。しかしフェイドアウトか・・・きっちりコーダまで収録してほしかった。

"Heart Love"から再び、ディコーティのアレンジ作に。B面ではソウルとして"Free At Last!"が比較的まとまってるが、それでもB級感が拭えない。肝心の歌声がパワー不足で、完全にテナーの存在感が勝っている。

アイラーはソウル・ヒットを飛ばし、若手リスナーを多く獲得したかったのか。ソロ以外、まったくアイラーは目立たない。その割にソロでは我が出過ぎてソウルの甘さや軽やかなファンキーと似合わない。なんともアイラーの中途半端な立ち位置だ。

Performance:
Albert Ayler – recitation, tenor saxophone, vocals, whistling
Garnett Brown – trombone
Call Cobbs – electric harpsichord, harp, organ, piano
Burt Collins – trumpet
Bill Folwell – bass, electric bass
Buddy Lucas – bass, baritone saxophone
Rose Marie McCoy – vocals
Joe Newman – trumpet
Seldon Powell – flute, tenor sax
Bernard "Pretty" Purdie – drums
Soul Singers – vocals

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