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秋山徹次 「The Ancient Balance to Control Death」(2008)

 微妙に調子っぱずれな秋山の多重コーラスが楽しめる歌モノ(?)な前衛ブルーズ。
 

 フリークス的な味わいを目指したのか。インプロのギタリストな印象が強い秋山だが、本盤を聴いてすごく意外だった。独特のブルージーな感覚をそのままに、歌が入ってくる。しかも少し甲高くめに、さらに多重録音で複数のラインを並列させて。

 いちおう和音になってるが、いわゆるソフト・ロックっぽいふくよかなハーモニーとは全く違うベクトルだ。90年代前後のNYダウンタウン・シーンのスカムな感覚に近しい気もするが、それよりはもっとポップ。
 それこそクレイマーあたりにプロデュースさせてみたい。

 実際は録音が宇波拓、プロデュースは秋山と杉本拓の共同と馴染みの仲間で録音された。リリースは米Western Vinylから。
 本盤は7曲入りだが、(7)の4分越えを除いて1~2分の小品で全15分のEP盤なボリューム。

 歌詞はすべて英語だが、作曲はすべて秋山のオリジナル。独自の解釈でカバーではない。
 メロディは断片で聴くと甘酸っぱさもあったりするが、和音で聴くと特異な響きにたどり着く。
 さらに旋律の断片を結合し一曲にまとめると、違和感が漂い全編で聴いたらヘンテコな触感のほうが先に立つ。

 秋山は本盤でブルーズっぽさを無闇に強調もしてない。アコギのかき鳴らし具合や、少し陰ったムードからして「ブルーズかな?」と連想する。
 その程度の親和性で、特段にジャンル分けに拘ったアプローチではない。
 つまり秋山の独自性はたっぷり表現してる。

 (6)ではハーモニカを使い、なおさらブルーズな色を濃くしてみせた。しかし嗄れ声にせずクリーンなトーンの歌声が奇妙なポップ感を醸し出す。
 それこそ前衛サイケ・フォークな香りも漂う。
 歌が全面に出たアルバムのため、秋山のギターを味わうには物足りないかもしれぬ。とはいえこういうサウンドも異様で新鮮だ。怪盤で面白い。

Track listing:
1 Close The Door 2:22
2 Remember 1:36
3 I Will Be With You 2:24
4 The Sun Was Covered 1:15
5 Break Silence 1:09
6 Something From This Moment 2:35
7 It Shall Be Not Your Tremble 4:05

Track listing:
Composed By, Vocals, Acoustic Guitar, Harmonica, Maracas, Electronics, Producer - 秋山徹次
Producer - 杉本拓
Recorded By [Hibari Music] - 宇波拓
Recorded By [The Laboratory Of Phonic Aim] - Simpoh Yanagawa
Recorded at The Laboratory of Phonic Aim and Hibari Studios.

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