TZ 8061:Mamoru Fujieda "Patterns of Plants II"(2008)

素晴らしく美しい響きの詰まったアルバム。最近入手したが、何度も聴きこんだ。幅広い周波数での心地よさを堪能できる。和の美学と西洋音楽のロジックが見事に融合した。
文脈はクラシック。しかし寛ぎのBGMに最適、じっくり構造を聴きこむのも楽しい。藤枝守のTZADIK 2nd。

東京の自由学園"明日館"で07年10月18日のライブ音源で、97年にTZADIKから出た"Patterns of Plants"の続編だ。藤枝によるブログのここここで・エントリで、自主解説が少し読める。

曲目は上記ブログの記載が分かりやすく興味深い。ジャケットから読み取りづらいため転載させて頂く。

■植物文様 第17集(2007)
  pattern A (笙、箏2面による三重奏) 
  pattern B (箏二重奏)
  pattern C (笙独奏)
  pattern D (笙、箏2面による三重奏)
■植物文様 第14集〜無伴奏ヴァイオリンによる(2006-7)
  pattern A
  pattern B
  pattern C
  pattern D
■植物文様 第10集〜二面の短琴による(1998-2007)
  pattern A
  pattern B
  pattern C
  pattern D
■植物文様 第4集〜ヴァイオリンと笙によるデュオ・ヴァージョン(1996-2006)
  pattern A
  pattern B
  pattern C
  pattern D
■植物文様 第18集(2007)
  pattern A (ヴァイオリン、笙、箏2面による四重奏)
  pattern B (ヴァイオリン、箏2面による三重奏)
  pattern C (ヴァイオリン、箏2面による三重奏)
  pattern D (ヴァイオリン、笙、箏2面による四重奏)


つまり彼の音楽テーマを抽出した一枚だ。通底テーマは「植物の電位変化から音楽的な価値を見いだす」とある。理知と数理に立脚したロジカルな作曲法っぽいが、使用された楽器によるエキゾティズムが音楽へ素敵な魅力を付け加えた。日本人にとってなじみ深い笙や箏の響きが、DNAレベルの寛ぎを誘発する。
バイオリン独奏曲もあるが、メロディ使いやフレーズの歌わせ方で不思議とオリエンタルな魅力が滲んできた。笙の高音まで響き渡る、涼やかな響きも良い。

音楽構造は細かく調整され、和音やピッチの響きに硬質な理性が伺える。しかし穏やかなメロディが堅苦しさを緩和させる。逆説的に、凡百のヒーリング音楽にはあり得ない、芯の通った凛々しいサウンドに仕上がり。従って聴きながら寛ぎと緊張を味わう、心のサンドイッチ体験を心地良く感じられた。

Personnel:
丸田美紀 Miki Maruta: Koto http://www.geocities.jp/mik_maruta/
西陽子 Yoko Nishi: Koto http://www.nishi-yoko.com/
石川高 Ko Ishikawa: Sho http://www.waternet-sound.com/artist/ishikawa_koh.html
鈴木理恵子 Rieko Suzuki: Violin http://riekosuzuki.com/

 

なおIzumi Kimuraが本盤からカバーした音源もbandcampにあった。ほほう。

関連記事

コメント

非公開コメント