TZ 7040:Annie Gosfield "Burnt Ivory and Loose Wires"(1998)

調子っぱずれのピアノが主な室内楽曲と、ROVAサックス・カルテットによる現代音楽集。ただし編成はロック・コンボの編成にのっとっており、ミニマル・テクノ風にも聴ける。



フィラデルフィア出身の女性作曲家の初リーダー作。いわゆる現代音楽的な堅苦しさは無い。現時点でその後も3枚のソロをTZADIKから出し、コブラの演奏にも彼女の参加音源がTZADIKからある。ジョン・ゾーンとは継続してリリース関係を保っているようだ。

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前半の楽曲は、いったんピアノ・サンプリングをアサインした鍵盤で弾いてる。音色が極端にひしゃげた音色で、メカニカルもしくは退廃な風味を漂わせた。

鍵盤曲を基調に楽曲によってエレキギターやパーカッション、チェロなどが加わった。寂しげなムードが、繰り返しの多い楽曲からも音色からも滴ってくる。鍵盤の音色が醸し出すメロディは、時に断片的。場面転換はむしろ唐突で、ミニマルな展開からスッと鮮やかに風景が変わった。

顕著なのが、チェロとデュオの(5)。明確なリズムが無く、譜割の流れでビート感を出す。揺らぎ、揺れる旋律を奏でる響きは、歪んだピアノと軋む弦。何とも物悲しい。
むしろ明確なビートが入った他の楽曲のほうが、抽象的な電子音楽の耳で楽しく聴ける。
最終曲のROVAによる(7)は10分に及ぶ、本盤では最長の尺。整った、ちょっと軋む音色のサックス四重奏曲。なんかタンギングが強めに聴こえるのは、作曲者の指示だろうか。機械のような情緒をそぎ落としたメロディが続く。和音の妙味や旋律よりも、場面展開の変化を表現のようだ。あまり派手ではないが、ファイル・カード作曲に通じる気がした。

Personnel:
Annie Gosfield: Sampling Keyboards
Christine Bard: Drums And Percussion
Roger Kleier: Electric Guitar
Ted Mook: Cello
Jim Pugliese: Percussion

Rova Saxophone Quartet
Bruce Ackley: Soprano Saxophone
Steve Adams: Alto Saxophone
Larry Ochs: Tenor Saxophone
Jon Raskin: Baritone Saxophone

アルバム収録曲のYoutube曲と、ほぼ同時期の楽曲。後者の自動演奏機械の風景は、ほぼイメージ映像で実際の演奏ではないが。本盤で聴ける、当時の彼女の音世界を象徴する絵面だと思う。

 

こちらは彼女のピアノ演奏と、別の人が弾く同じ曲の映像。この手の曲を他人が演奏って新鮮かも、と思い貼ってみた。
しかもボール使いの鍵盤演奏が、見事に再現されている。すごいなー。
 

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