TZ 7356:Koby Israelite "The Book Of Angels Vol.4:Orobas" (2006)

やけに端整なチェンバー・ロック風のアレンジと思ったら、一人の多重録音だった。MASADAの第二弾プロジェクト、"The Book Of Angels"の第四弾とし発売された本盤。
   

The Book Of Angelsはアンサンブルのダイナミズムを強調するプロジェクトと思い込んでおり、少々意外な気も。ジョン・ゾーンは時たまこの手の整ったアレンジも施した盤を出すため、違和感はないが。

また本盤も決して密室的なアンサンブルに留まらず、即興要素もそこかしこにスペースを作ったバンドっぽい響きを意識している。
クリックでなく波形編集だろうか。縦の線はピタリ揃い、フレーズ毎にさまざまな楽器が現れては主役を交代する。
アレンジの都合上、アドリブの応酬よりはアレンジの妙味を楽しむ盤だ。積極的にエレキも導入し、派手な響きに仕上がった。

リーダーのKoby Israeliteは打楽器と鍵盤、弦楽器もこなす多彩な人物。Wikiによれば本作は全体では5作目、TZADIKでは3rd・リーダー作。
本盤は3人のゲスト・ミュージシャンを招いたが、あまり積極的に演奏へかかわったようにも聞こえない。エキゾティシズムを全面に出し、ときにロック寄り、ときにクレツマーなサウンドを聴かせる。鋭くミニマルな味わいが、本盤の魅力だ。

アルバム最後の"Rachmiel"がしみじみして良い。これまでタイトな演奏をがっつりカマした終わりに、ロマンティックで雄大な風景をアコースティック楽器の多重録音で披露した。生々しい響きが、熱っぽい空気感をまとって広々と切なく舞った。

Personnel:
Koby Israelite – drums, percussion, accordion, keyboards, guitar, bouzouki, Indian banjo, vocals, flute, electric bass, cajón, arrangements
Sid Gauld – trumpet
Yaron Stavi – basses, vocals
Stewart Curtis – recorder, piccolo, clarinet
  

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