TZ 7205:Derek and the Ruins (1994)

英の即興ギターな孤高デレク・ベイリーと、日の剛腕デュオな雄ルインズが94年9月に、英のスタジオで録音。本デュオの1stにあたる。後に"Tohjinbo"(1998)を2ndとして残した。

  

Tzadik視点だと、ベイリーは意外なことに、本盤が初のTzadik盤。ルインズは本盤が2作目。前年の93年12月録音で"Hyderomastgroningem"を収録、次のリリースが本盤となる。ルインズは吉田達也と、4代目ベーシスト増田隆一の時代。全7曲、5分強が6曲と、20分以上の長尺1曲を収録した。ハードコア疾走一辺倒でなく、緩急を心得たインプロが堪能できる快盤だ。

増田隆一はギタリストのイメージで(Soh-Band,HAYAKAWA,高円寺百景など)、ルインズでのベーシスト活動時代が、むしろイレギュラー。ベース・フレーズでなく、ギターの極低音を弾いてる感じ。時にエフェクタ操作か、噴き出すような音色も増田は奏でた。

ベイリーの音がくっきりわかりやすいだけに、アンサンブルの担当役割が聴き分け易い。ギターは注意深く音を外すのが常ながら、本盤ではむしろ積極的にルインズへ絡んで聴こえる場面がしばしば。意外な展開かも。
吉田のパルス・ドラミングが、拍頭を常に意識させるせいかも。ちなみに小節感は希薄で、何拍子にも取れるフレーズがばら撒かれる。

ルインズは統一感もち、適度に一丸となり疾走した。ベイリーの絡みかた次第で、音像の熱っぽさが変わる。妙にベイリーは空気を読む。例えば(6)の静かな場面では、敢えて崩さずそっとエレキギターを奏でた。

グルーヴィなベースにドラムが刻み、ベイリーがのびのび即興する長尺(7)が本盤で最大の聴きもの。中盤にリズムが消え、インプロに雪崩れる。
スリリングな瞬間が一杯、硬質でストイックだが頭でっかちさは皆無。肉体的なダイナミズムで、ぐいぐい聴かせた。

Credits
Guitar - Derek Bailey
Drums, Voice - 吉田達也
Bass - 増田隆一

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