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Hawkwind 「Doremi Fasol Latido」(1972)

 あれ、ちょっと骨太路線を志向した?3rdアルバムの方向性は変わった。

 ホークウィンドの3rdアルバム。
 前作のリリース後に、彼らの代表曲となるシングル・ヒット"Silver Machine"を発表するも本作には収録せず。シングルとアルバムは別物って主義か。そのわりに本作から(4)がシングルで切るのだが。
 そして本作から後にモーターヘッドを結成するレミーがベースで参加した。

 そのせいか、妙に本作は歌モノに舵を切った。全体的にハードロックの味わいが増す。これがイギリス的と言えばそれまでだが。スペイシーなシンセは漂い、フルートがエコーをまとって飛び交う。エフェクタ処理で潰れた音色はそこかしこに。

 けれども本盤の主軸はボーカルであり、重たいリフとノリだ。前作での疾走するサイケ色はジワッと消えてしまい、もっとわかりやすくシンプルな音像に変わってる。
 ちなみにドラムも本盤で変更。リズム隊が変わったことがサウンドに影響を与えたか。

 Wikiによればゴールド・ディスクな前作に及ばずとも、チャートは前作の18位から本盤の14位と評価もされたようだ。
 ハードロックにぼくはさほど思い入れが無いため、こういう路線だとどうにも燃えない。重たく引きずるノリの凄みも、頭では分かっても体にかっこよさが響かない。
 
 ギターがサイケにうねってベースやドラムと絡む(6)など、前作に通じる酩酊感と疾走を兼ね備えたノリも、いくばくかはあるのだが。
 サイケが方法論になってしまい、理性が勝ったか。
 なおレミーは(7)の作曲も担当。バンドへ着々と貢献している。フォーク・ソング風の内省的なムードだ。不穏さはあるけれど。轟音じゃない。
 この曲を投入するあたりに、疾走サイケの体現でなくロックの派生な文脈でホークウィンドをとらえていそうなレミーやバンド・メンバーたちの意識が伺える。

Track listing:
1 Brainstorm 11:33
2 Space Is Deep 6:20
3 One Change 0:49
4 Lord Of Light 6:59
5 Down Through The Night 3:04
6 Time We Left This World Today 8:43
7 The Watcher 4:09

Personnel:
Dave Brock - 6/12-string acoustic guitar, electric guitar, vocals
Nik Turner - saxophone, flute, vocals
Lemmy (Ian Kilmister) - bass guitar, acoustic guitar, vocals
Dik Mik (Michael Davies) - Synthesizer
Del Dettmar - Synthesizer
Simon King - drums

 なお今だと、4曲入りボートラで15年リマスターという本盤がお得かな。

 ボートラの一つが"Brainbox Pollution"。サイケ風味に音処理されているが、サウンド構造は完全なロックンロールだ。でも間奏がやたら長くて、か細いサックスが蠢くあたりはサイケだな。
 サイケはもちろんプログレもトラッドも含めて、ジャンルを気にせず単純にデイヴ・ブロックは自分がやりたい音楽をドラッギーにまみれさせながら、あれこれ演奏してただけなのかもしれない。

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