Søren Bebe 「Home」(2016)

 静かで繊細だが強固な美学を描く、ピアノ・トリオ。

 デンマークで活動するメンバーで、コペンハーゲンのスタジオにて15年11月の録音。リーダーはサン・ビービーと読むらしい。
 トリオ編成では3枚目、リーダー作として4thのCDのようだ。とはいえトリオで毎回ベーシストを変えている。

 Bandcampを拠点に多数のリリースを行っている。いったんデジタル・アルバムを出して、そのあと一曲づつ譜面のPDFつきで再発売かな。2017年9月時点で110枚以上のタイトルがあり。ばら売りは一曲が数分程度と小品なのだが。
 この発売形態を踏まえ、年に27ドルで登録を行うことで全てをストリーミングで入手するって手法も行っている。以下のURLより。色々なことを考えるものだ。
https://sorenbebe.bandcamp.com/subscribe

 さて、本盤。欧州スタイルで冷静かつ静かなピアノを聴かせた。ロマンティックだが抒情性に流れない。変拍子などトリッキーな構成はとらず、淡々と静かな世界を描く。ときどきドラムは変なタイミングで叩いたりもするが。

 演奏曲はすべてビービーのオリジナル。全11曲、数分程度の小品を次々に並べた。ピアノ・ソロでも成り立ちそうだが、ベースやドラムがアクセントを加えることで演奏にふくらみは持たせた。
 スリルはごくわずか。だが甘さに雪崩れもしない。リバーブたっぷりの音像で、崇高な世界観を描く。ときにナルシスティックに雪崩れそうだが、あまり甘さが鼻につかないとこが特徴。

 本盤の楽曲はどれも緩やかなテンポ。丁々発止の斬り合いでなく、間を持ちながらしっとりとピアノが奏で続け、ドラムとベースが彩りをつけた。いわゆるファンキーさやグルーヴィな味付けは希薄。クラシックとは言わないが、内省的な風景だ。

 ピアノのタッチはしっかりと。しかし強くはない。硬質に、緩やかに音符を解き放つ。フリーや前衛の要素は低く、あくまでメロディアス。でもアンビエントやヒーリング、ニューエイジといったBGMに堕さない。

 凛々しい空気感、ゆえか。いがいとドラマーがカギを握っている。ひたすら自分の世界に籠るピアノを、ときにちょっとずらしたタイミングでそっと叩くことで、揺らぎやほころびを施し、音像に緊張を与えた。
 このドラマー、95年頃から活動してるベテランで、リーダー作も5枚あり。ビービーのユニット以外にも数多く、40枚ほどのアルバムに参加してる。

Track listing:
1 The Path to Somewhere
2 Tango for T
3 Trieste
4 Tyst
5 A Simple Song
6 Haarlem Landscape
7 Time
8 Floating
9 Look Out Now
10 Home
11 Tak

Personnel:
Soren Bebe (p)
Kasper Tagel (b)
Anders Mogensen (ds)

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