Smirk - at The Stone, NYC - July 6 2017

 ポリリズム、かな。つんのめるリズムが静かに漂うジャズ。

 何の気なしにYoutubeで見てた動画。NYの先鋭ジャズをレポートする、Don Mountが8/8にアップロードした。
 来年3月に閉店が決まってるジョン・ゾーンのThe Stoneで7/6にライブ。企画はドラマーのTyshawn Soreyだ。7/4~9にブッキングを任されていた。スケジュール表には一夜に1ユニットしかクレジット無いが、2セットをこなしたってことか。
 この動画そのものは35分強。4曲入りだが曲間は編集されている。1セットまるまるか、2セットからピックアップかはわからない。

 Smirkそのものも詳しい情報が出てこず。TpのAlan Bjorklundがリーダーのようだ。2013年の動画で、BjorklundがSmirk名義でアップしたライブ動画があり。Smirkでの音盤情報は見つけられなかった。


 実際、テーマに戻るキューはBjorklundが行ってる。なおメンバーは以下の通り。
Alan Bjorklund - trumpet / compositions
Jeremy Viner - tenor saxophone
Travis Reuter - guitar
Matt Mitchell - analog synth
Kim Cass - electric bass
Tyshawn Sorey - drums
 
 前述の動画ではベーシストが異なり、Christopher Tordiniが弾いている。バンド・ブッキングのサイトと思しきchamber-music.orgにもSmirkの記事があったけれど、ここでも記載が違う。
 データをいつ登録か不明だが、上記のリンク先でもクインテット編成。上記の動画と同じメンバーだった。今回聴いてる動画のセクステットがたまたまか、それともKeyも加えた編成に変化したのか。

 少なくとも昨年7月のライブ動画時点ではクインテットのまま。別に無闇に拘る必要ないのだが。16年7月13日、ブルックリンのBar Below Ryeでのライブ。同日の演奏は他に数曲、Youtubeへ上がってる。なおこの16年の動画はギターのTravis Reuteの作曲。SmirkはBjorklundのワンマン・バンドでもないみたい。

 
 サウンドはフリージャズ寄り。ただしかなりカッチリとリズムはアレンジされ、無軌道に逸脱はしない。ギターやベースがパルスのようにテンポを出し、ドラムは全くちがうビートで叩きのめす。緩やかなソロ回しの概念はあり、テーマからアドリブ合戦って構図を取る。
 しかし変拍子のテーマと浮遊するグルーヴが全編を覆い、奏者同士の斬り合いによる爽快感は希薄だ。もやっとした空間を順番に楽器が浮かんでは消える感じ。

 全部が譜面モノ。ひとしきり誰かがアドリブを取るうちに、すっとBjorklundが右こぶしを突き出してテーマや場面転換が起きるアレンジだ。
 しっかりサウンドはグルーヴしてる。しかし違うノリの幕が数枚重なってムードをあいまいに漂わせた。

 ノイジーな方向性が目的ではないが、和音やメロディの展開は硬質で鋭い。
 だがアンサンブル全体が猛スピード志向でなく、巨漢のTyshawn Soreyが奔放に叩きのめすリズムと、他のメンバーが弾く楽器の対比が軸のようだ。
 ドラムが煽る一方で、ベースもしくはギターが冷静にグルーヴを紡ぐかっこう。

 ちなみにソロもトランペット一辺倒ではない。他のメンバーへふんだんにソロのスペースがあり。
 フロント2管ながらあまり必然性はない。バンド全員がフラットにソロを取る平等な印象を受けた。
 サウンドの統一性を踏まえたうえで、バンドのダイナミズムより、個々の連続体を重視かのよう。

 この動画は全4曲。それぞれに楽器のキメや暴れ具合は異なるけれど、曲のテイストはどれも似ている。開放感は薄い。
 曲のバラエティさを出さずとも、バンドの味わいがきっちり決まっているっぽい。

 ライブのメリハリな観点では、少し物足りない。現場でなく動画として一線引いてみてるせいもあるが。
 PAやマイクを使わぬ現場の音作りをそのまま録音だが、バランスはきちんと取れている。聴かせどころは全員がキチンと意識した。

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