Coco Boys(1986)【Prince未発表曲】

 鼻歌の延長ながら見事にファンキーな曲に仕上がった。

 元は86年8月25日、パリでライブのサウンドチェック中に録音。そして同年9月にスタジオで録音し直したと伝えられる。

 このブートで聴ける音源がライブかどうかは判別つかない。たしかにセッションっぽいリズム・トラックだが、フレーズをテープ・ループさせてるようにも感じる。
 ともあれプリンスのボーカルはのびのびだ。トランペットを人の声で模して、えんえんとカウンター・メロディに使うアイディアが面白い。

 そもそもは頓挫したミュージカル"The Dawn"の曲として"When The Dawn Of The Morning Comes"や"Crucial"と同じように準備されたという。ココ、って名前にプリンスは思い入れあったようだ。
 プリンスの作曲者として変名、ジョーイ・ココもあるし、映画"グラフィティ・ブリッジ"ではライバル・バンドの名前に使われたそう。
 
 この楽曲そのものはデモテープみたいなもの。伴奏はほとんど変化なく、淡々とファンクを甘く薄く広げる。
 伴奏はシンセがふよっと漂い、独特な80年代プリンスのドラム・サウンドが響く。合間をベースが鈍く鋭く突き刺した。ギターはフレーズをミニマルに重ねるのみ。

 プリンスは語るようにメロディを乗せ、平歌とサビをさほど意識していない。興の趣くまま旋律を紡いだか。"Housequake"的なアプローチだが、もっとアドリブ要素が強い。
 エンディング間際でばっさり全休符を入れ、ギター一本でスリリングな場面転換を入れるセンスはさすがだが、あとはほとんど展開は無い。
 やりっぱなし。それでも不思議とファンキーさは消えないし、単調だが冗長ではない。このころのプリンスは飛ぶ鳥を落とす勢い。時代の先頭を猛スピードで駆けていた。そのパワーと創造力がなせる技だ。

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