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Jimmy Smith 「Plays Pretty Just For You」(1957)

 ファンキーさは滲みがじわりに留めた、スタンダード集。

 31歳と遅咲きでレコード・デビューしたジミー・スミス。オルガンの第一人者と名をはせる前、デビュー2年目にリリースだが、11枚目のアルバム。既にブルーノートでは高く評価されていたようだ。
 
 全盛期前のアルバムらしく、グルーヴは抑えめの演奏だ。ぐいぐいノシていくのは翌年"House Party"あたりからか。
 スミスはサイドメンをコロコロ変えない。レーベル主催のセッションは別として、きっちりバンドの連帯を意識していたようだ。馴染みのドラマーなドナルド・ベイリーはそのままに、この年から採用したギタリストエディ・マクファデンとのトリオ演奏となる。

 NYで57年5月8日に録音。全曲スタンダードで、あっさりと演奏した。小技は入れず、テーマからオルガンのソロを中心に淡々と解釈する。のちのスタイルに比べたら、まだ大人しい。
 ステージで馴染みのレパートリーというより、スタジオでの企画かが気になる。膨大な盤を誇るスミスだから、ライブでの定番曲よりもその場でどんどん弾きこなしたのかもしれない。既にキャリアを重ねており、レパートリーが多かった可能性もあるし。

 全体の感じは、ときどきシンバルのパシャパシャと鳴る強打が気になるが、アンサンブルはオルガンを中心にしっとりと成立した。
 逆に言うと、オルガンだけでもサウンドは構築できる。アクセント、もしくはリズムの補強にギターとドラムが存在するかのよう。
 邪魔ではない。不要でもない。しかしオルガンの付けたしとしてドラムとギターがいるように聴こえてしまう。

 ふわふわと溢れるオルガンの持続音を、スミスは巧みに操る。粘っこくフレーズをモタらせ、うねるグルーヴを滴らせた。だからこそジャストなリズムを提示するドラムやギターが必要だ。フレーズの揺らぎ具合を強調するために。
 ファンクの前のめりさより、小粋なスイング感。それが本盤に通底した。熱狂よりも洗練と、いささかの野暮ったさをまとって。歯切れ良いピアノの立ち上がりでなく、じわっとアタックが滲み、余韻をたっぷり残すオルガン音色の特性ゆえに。
 
 スミスのオルガンはバック・ビートのリズム・センスが抜群だ。地味で抑え気味な本盤だとあまり目立たないけれど。

Track listing:
1 The Nearness Of You 5:44
2 The Jitterbug Waltz 4:57
3 East Of The Sun 6:06
4 Autumn In New York 4:24
5 Penthouse Serenade 5:29
6 The Very Thought Of You 4:29
7 I Can't Get Started 4:48

Personnel
Jimmy Smith - organ
Eddie McFadden - guitar
Donald Bailey - drums

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