BROSTARR 「Right place right time」(2008)

 05年に活動開始したMCのSTEELOWと、DJのD-TRACK a.k.a DEESKによる文字通り兄弟ユニット、BROSTARR。

 "BROSTARR'S TOWN"(2006)に続く2ndアルバム。他にmix CD"STAR IN DA HOOD VOL.01"(2007)があり。

 Pete Rock & CL Smooth"The Main Ingredient"(1994)をパロったジャケットは、サンプリング中心のDJスタイルなトラック作りを志向する宣言か、と思って買った。
 実際(2)ではザッパの"Peaches en Regalia"をがっつりサンプリングしてる。

 とはいえ全体的には音楽好きな様子がそこかしこから伺えるものの、レコ掘りを追求するPete Rockをもろにリスペクトするような作りではない。
 (4)でもマーヴィン・ゲイ"I want you"をイントロに決めた。大ネタをてらわず投入する潔さと、ドラマティックに展開させるセンスがDJ的。なおこの曲は、KEN-1-RAWのだみ声も効果的だ。他のネタ曲もソウル系が多い。
 (15)は藤井フミヤ"わらの犬"(1999)が下敷きという。ヒップホップにしては意外な選曲だが、メンバーがもろに思春期に聴いた曲なのだろう。

 アルバムの方向性はクールさやパーティ系とは違う。オラオラ系まで行かないが、ギャングスタ的なアプローチを感じた。(9)でマイクリレーするゲスト3人は埼玉勢。ギャングスタ的な語りを叩きこむ。

 気取らずギャグめいたフレーズをそこかしこに混ぜるのが妙に日本ラップ的だ。
 ラテンをおふざけに混ぜた(6)や(13)、枯れススキな(7)のセンスは昭和3~40年代に通底する。本人は無意識っぽいが。
 センチメンタルな(8)を入れるあたり、生真面目なスタイルは元々か。ドライに行けず抒情性がそこかしこから滲む。

 ラップはさほどフロウさせず、まっすぐにトラックへ刻んでいく。
 低音成分が薄いのと声の線が細いため、存在感や凄みにもの足りなくてもどかしい。逆にゲスト勢のザラついた声がSTEELOWの声と、良い対比になってる。
 マスタリングが今の耳では控えめかも。がつんとボリューム上げて聴きたい。

Track listing:
1. BUSINESS HOUR
2. ALL I KNOW (冷静と情熱の間に)
3. S.B.T. (SWITCH BACK TRAIN)
4. I WANT U (feat. FUNKASTIC 4)
5. CHILL-TOWN OF S.G.
6. 特攻チームA野郎 (feat.サイプレス上野)
7. 拝啓先生方
8. 上京物語
9. WE RUN THINGS - BOOTSVILLE REMIX (feat. SAY TO Z, VANY from 弗猫建物, DAIGO from DOPES GRAPLUZ)
10. かまめなHARD CORE (feat. FUNKASTIC 4)
11. DREAM
12. DIEエット (feat. FREE-SK from ILLBLAST)
13. B.E.E.R (feat. FUNKASTIC 4)
14. MAN GOTTA LOW (画太郎ANTHM)
15. わらの犬

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