Roosevelt Wardell 「The Revelation」(1960)

 ブルージーさはうっすらあるも、基本は明るくカラッとした演奏だ。

 ルーズベルト・ワーデルが唯一残したジャズ・ピアノの盤だそう。プロデュースはキャノンボール・アダレイ。彼のピアノに着目して、売れっ子サイドメンの二人を配置して吹きこんだ。
 指がくるくる回る流麗さと、ほんのり野暮ったいつんのめるフレーズ感が味わいだ。テクニカルな弾き倒しをするいっぽうで、どっかぎこちなさがところどころに漂う。きちんとしたクラシックの音楽教育でなく、ほんとうに器用に高速で弾き倒してる感じ。
 例えば(2)。ベースもドラムも置き去りで、まっしぐらに疾走してる。

 ホールで演奏よりも紫煙漂うクラブでのギグが似合う。
 収録曲はスタンダードA1,A3,B2,B3で、あとはオリジナルかな。ネットには「オリジナル3曲」とあったため、残ったうち1曲もカバーか。
 
 ワーデルの経歴はWikiを丸写しにすると、50年代はブルーズで活躍したらしい。いまいちDiscogsやyoutubeで音盤が特定できないが。ともかくWikiによれば
1952年に"So Glad I'm Free"と"Deep Moanin' Blues"を作曲。Ed Wiley, Jr.とアトランティックへ、同年11月には同じ曲をJohnny O'Nealのボーカルでキングに録音した。
 双方でワーデルはピアノを弾いてるそう。

 その後ワーデルはの50年代は陸軍へ入隊。退役後の60年に本盤は録音された。ただ売れ行きは今一つだったのか。後は続かない。63年に西海岸のジャズメンEarl Anderzaと2曲録音した以外は、音盤が無いらしい。

 本盤の演奏はリズム隊がピアノをきっちり煽りつつ、リーダーをしっかり立てた。ピアノだけがソロを取るわけじゃないけれど、お仕事っぽいそつのない演奏だ。
 逆にピアノは爽快なビートに載って、のびのびと溌剌なフレーズを連発する。単純に楽しい。むやみな理屈やコンセプトから解放され、寛ぎつつもスピーディなプレイを連発してる。

 スタイリッシュさを気取りながらも、すこし野暮ったい。ブルージーに濁りを狙いつつ、それでも上品に洒落てしまう。
 猛烈に弾きまくるテクニックはある。いっぽうで技術自慢の曲芸ピアノにもなってない。
 個性を立てる、の観点では中途半端な立ち位置ではある。けれど無闇に自分を飾ろうとしない滑らかな姿勢が、本盤のジャズを小粋に仕立てた。

 むしろソロ・ピアノのほうが彼の個性を引き立てたかもしれない。リズム隊はきちんとピアノを盛り立てはするが、ワーデルが加速すると少しばかり噛み合わないところもあり。
 たとえばA4のピアノ独奏の場面など、自在にテンポを左右させて譜割を歌わせてるし。

Track listing:
A1 Like Someone In Love
A2 Lazarus
A3 Autumn In New York
A4 Max The Maximum
B1 Elijah Is Here
B2 Willow Weep For Me
B3 Cherokee
B4 The Revelation

Personnel:
Bass - Sam Jones
Drums - Louis Hayes
Piano - Roosevelt Wardell

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