ランダム再生の混沌

PCオーディオならではの再生術、その(1)。「各種の弦楽四重奏ランダム再生」。
たいがいの弦カルは楽章ごとにトラックが切られてる。ずらっとランダム再生すると、作曲家も楽曲順も滅茶苦茶に並んでく。ためしに聴いてたら、シュールさが気色悪くて面白い

そもそも作曲家は四楽章で一つの世界を意識し作曲した。これが順序もバラバラに飛び交うと、数分間の小宇宙が断章群で流れていく。一つの楽章は整ってる。だが次の瞬間、時代も世界も脈絡も無く、飛んでいく。諸行無常な美しさ。

こんな面倒な聴き方は、リッピングしたPCオーディオならではの愉しみ。
CDやLPだとやってられない。仮に山盛りCDを積んで、楽章ごとに手作業で切り替えても、盤選択の段階で恣意の順列組合せはありえない。「やっぱ、もう一楽章聴こう」「この次なら、これかな?」とか。

だがPCランダム再生は無常だ。盛り上がったところで次のトラックへ無作為に飛ぶ。このサイコロ運命な冷徹さが、奇妙なスリルを作った。

今のBGM:ハイドン:弦楽四重奏曲第77番ハ長調「皇帝」、第二楽章(作曲:1797年)
詳しい楽曲の解説は、Wikiをご参照ください。
奏者はQuartetto Italiano。ベートーベンの弦カル16番1楽章からスイっと飛んできた。ダイナミズムからクールなロマンティシズムへ。クラシックの詳しいことは知らないが、この楽章は第一バイオリンの高音域メロディを第二バイオリンとチェロが、まとわりつくように支えた。
それでいて、どっか冷めている。穏やかに、静かに。旋律がふわふわと流れた。美しさがにじり寄る。

あ。今、楽曲が変わった。次はショスタコの9番、5楽章。演奏はブロドスキー・カルテット。正確冷徹な演奏がスリルを高める。流れが脈絡無くて、居心地が悪い。もぞもぞする。変なノイズ・コラージュみたい

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