クラシックのジャズ的な再発。

 グレン・グールドの「ゴルドベルク変奏曲集」8枚組が出る。

 ロックの世界では20年近く前からボックスが花盛り。未発表曲集として別テイクやアウトテイク、録音風景を収めたアルバムが色々ある。ぼくはビーチ・ボーイズやフランク・ザッパでこの手の企画をいっぱい楽しませてもらった。

 ジャズの世界ではそもそも別テイクはボートラの原資。アルバムの統一感が無くなろうと、構わずに別テイクがばんばん発掘されていた。

 一方でクラシックは生演奏を是とする風潮から、実際に編集びしばしなのに、あまりこの手の企画は見かけなかったと思う。ぼくが知らんだけ?

 しかし今回の企画はまさにロック、いやジャズ寄りかな。残ってるんだな、テープが。
 グールドは生涯でバッハのゴルドベルク変奏曲を55年と81年に録音した。
 

 本ボックスは55年にスポットを当て、CD5枚に別テイクをごっそり詰め込んだ。
 リリースされた55年版でどの程度編集あるのか知らない。でもアウトテイクを聴き比べはマニアにはたまらないだろう。

 残る3枚はDisc 6がグールドのインタビュー音源、Disc 7がリリース音源。Disc 8はアナログで180gの重量版LPでDisc 7と同じ音源を入れた。
 ブックレットも非常に豪華らしい。日本版を買ったほうが楽しめるだろう。高かったとしても。

 編集スタイルから本盤がマニア向けなのは明らかだし、グールドくらいアイドル性ある奏者でないと本盤が成立しない。どんな演奏テイクかは知らないが、へたしたら失敗テイクが続く時点で、音楽そのものの"完成度"を楽しむ、クラシックのスタイルとは大きく異なる。
 グールド人気あってのことだろうが、よくリリースするなあ。英断だ。

   

関連記事

コメント

非公開コメント