Art Blakey & The Jazz Messengers 「'S Make It」(1965)

 ほんのりサン・ラ風味な優美さと浮遊感が漂う盤。

 楽曲は(2)(4)(7)がリー・モーガン、(3)(6)がジョン・ヒックス、(5)がカーティス・フラーの曲。特に音楽監督を立ててなかったか。
 Victor Sproles(b)とJohn Gilmore(ts)はサン・ラ・アーケストラのメンバー。

 ・・・と書くと、なんとなくこの盤の浮遊感がフリーな感じもしてくるけれど。基本はまっとうなハード・バップだ。ただ、濃密なソロ回しに留まらぬ、ちょっと抜けた空気感あり。緩急を効かせた。
 一曲は3~5分と短め。(2)、(3)、(6)はフェイドアウトで、もっと長いセッションを無理やりにLPに収めた感じあり。時代に併せて長尺は流行らないと判断か。
 
 当時のメッセンジャーズは編成が揺れている。本盤のメンバーを基調に、上物があれこれ変わった。たまたま音楽的に実験か。いや、同じ64年の録音"Indestructible"を最後にウェイン・ショーターが抜けてブレていたのではないか。あとはビジネス的な予算の都合か。

 スプロールズやギルモアも唐突なメッセンジャーズ参加ではない。
 特にスプロールズはあるていど固定的なメンバーとしてメッセンジャーズに参加してた。サン・ラのコミュニティだけでは生活できなかったか。
 でも前後のメッセンジャーズに比べたら、本盤はサン・ラ的な懐深さも漂うような気もする。小粋だがきっちり締め付けず、ゆとりが本盤のそこかしこにあり。

 このうっとりした雰囲気はラテン風味だろうか。リズムはさほど凝らない。
 本盤でブレイキーは叩きまくらず、むしろ控えめ。ゆっくりとスペースを作った。
 全員が寛いでサウンドを作ってる。そのわりにバラード的な緩やかさは無い。
 スリルや熱さより、穏やかさを狙った。

Track listing:
1 Faith 3:42
2 'S Make It 5:28
3 Waltz For Ruth 5:44
4 One For Gamal 3:38
5 Little Hughie 5:33
6 Olympia 5:48
7 Lament For Stacy 5:35

Personnel:
Art Blakey - drums
Lee Morgan - trumpet
Curtis Fuller - trombone
John Gilmore - tenor sax
John Hicks - piano
Victor Sproles - bass

Recorded November 15, 16 and 25, 1964 at Radio Recorders Studios, Hollywood, Calif.

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