Barry Harris 「Preminado」(1961)

 小粋だが洗練され過ぎず、整っているが型にはまらない。気持ちいいピアノだ。

 バリー・ハリスの3rdリーダー作。50年代からサイドメンで数多くのアルバムに参加、有名どころではリー・モーガン"The Sidewinder"(1963)など。リーダー作も数十枚ある。 
 リーダー活動では、少なくともここまで3枚にてリズム隊は被らない。バンド志向でなく、チャンスがあればその時点で気に入ったメンバーを集めて録音ということか。本盤8曲中、オリジナルは(2)(5)(7)の3曲。特段に作曲志向でもなさそうだ。
 
 サウンドは粘っこいファンキーさ溢れるタッチ。ぐいぐいグルーヴする。同世代なドラムのエルヴィン・ジョーンズはまさにハマり役で、ピアノを良い感じで煽った。
 ベースのジョー・ベンジャミンは一回り上の世代。鷹揚に二人のサウンドを受け止めながら、着実なフレーズの提示で柔軟にノリを膨らませた。

 ハリスの演奏は自分のノリが明確にある。ピアノ独奏の(3)が顕著だ。前のめり、タメと縦横にアクセントやノリを伸縮させた。ソロでは饒舌に、コンボでは闊達に。
 我を出し過ぎないが、きっちりと自己主張はする絶妙なバランス。

 タッチがくっきり強く、流麗に指も回る。メカニカルな饒舌さでなく、すこし引っかかる凸凹さにファンキーな味わいが滲んだ。
 ピアノの独演上ではない。ドラムもベースも自己主張あり。疾走する熱さは薄く、ピアノを支える行儀良いセッションながら、ドラムもベースも埋没しておらず。

 急速フェイドアウトで終わる(4)や(8)など、良い演奏なのに構成が荒っぽい。LP収録時間ギリギリまで録音ってわけでもないだろうに。
 録音は一か月を置いて二日間かけ、テイクに困らない状況ではとも推測する。この辺の無造作さが惜しい。もっと構成を作りこんでも良かった。

Track listing:
1 My Heart Stood Still 6:31
2 Preminado 5:30
3 I Should Care 3:33
4 There's No One But You 4:06
5 One Down 4:35
6 It's The Talk Of The Town 5:03
7 Play, Carol, Play 4:11
8 What Is This Thing Called Love 4:05

Personnel:
Piano - Barry Harris
Bass - Joe Benjamin
Drums - Elvin Jones

Recorded in New York; December 21, 1960 and January 19, 1961.

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