Junior Mance 「The Soulful Piano of Junior Mance」(1960)

 クールなファンクネスが滲む、すっきりしたジャズ。

 リバーサイドのサブレーベル、Jazzlandから60年にリリース。ジュニア・マンスは当時32歳で、彼のWebから飛べる公式ディスコグラフィーでは2ndリーダー作となる。
http://www.juniormance.com/Junior_Mance_Disco.pdf
 数々のサイドメンでキャリアを積み、ようやくつかんだチャンスのようだ。初リーダー作"Junior"(1959)はVerveから単発契約。Jazzlandとは本作をはじめ62年までに数枚のリーダー作をたて続けに発表した。

 サイドを固める二人はマンスの数歳下の若手。この後もそれぞれマンスと録音の記録はあるが、前後のアルバムで共演はしていない。スポット的に集まったトリオっぽい。
 ソウルフルと冠され熱気を期待させるが、どことなく落ち着いた面持ち。レーベルのカラーなのかも。いわゆるジャズ的なファンクさより、もっとR&B風の軽いグルーヴを感じた。世代的な違いがありそうだ。

 全9曲中でマンスの自作は(1)と(5)の2曲。あとはスタンダードを並べた。面白いのは煮え切らないというか、妙にスカスカな音像なところ。明らかなグルーヴはしっかりあるのに、汗臭さを追求しない。不思議と気取って落ち着いたところを見せる。
 ぼくは他のマンスの盤を聴いたことがなく、個性かどうかまではわからない。けど、もっとはじけられそうなのに。我慢や力不足でなく、奇妙にすかしたところを感じた。

 (3)や(5)のように熱く燃えるアレンジもあるのに。サイドメンのリズム解釈のせいだけではない。指の回るテクニックをマンスは持ってるが、やたら技術披露に走らない。うっすらと唸りながら、丁寧に鍵盤を紡ぐ。逆に慎重さに偏らない、ファンクネスはしっかりあるのだが。

 キャリアを検索してたらエイベックスのページに日本語プロフィールがあった。「ブルースピアノの神様」と名付けられてる。
http://avexmusicpublishing.com/ja/writers/junior-mance
 ああ、なるほど。この気だるいムードはブルーズ感なのか。それにしても落ち着いている。きっちりコントロールされ、スマートで破綻することが無い。
 一曲が4分前後と短くまとまっており、ラウンジ・ジャズとして楽しめた。

Track listing:
1 The Uptown 4:02
2 Ralph's New Blues 4:20
3 Main Stem 4:21
4 Darling, Je Vous Aime Beaucoup 3:38
5 Playhouse 4:14
6 Sweet And Lovely 3:55
7 Oo-Bla-Dee 4:36
8 I Don't Care 4:27
9 Swingmatism 5:12

Personnel:
Junior Mance - piano
Ben Tucker - bass
Bobby Thomas - drums

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