Altered States 「4」(1995)

 ソロ回しや見せ場の交換でなく、即興巧者な三人が構築美を意識しつつ、自由に展開するさまが魅力だ。

 NYのKnitting Factoryで95年4月6日に録音。内橋和久の個人レーベル、Zenbei Recordから発売された。すべて即興。20分越えの2曲と6分弱の小品1曲、3曲が収録された。
 中心を置かず三人が一気に疾走する。

 歪んだギターの音色を前に置き、全員が疾走するが音を埋め尽くさない。手数の多い三人が緩急を効かせサウンドにメリハリを付けた。
 なお(1)の中盤で全休符が入るけれど、あれは曲の区切りなのかそれとも全員の溜めか。少なくとも楽想は前後で全く違う。
 
 彼らは結成が90年。既にこの時点で、自由度は思い切り高かった。一曲の長さは必然性や計算でなく、盛り上がりのなすがままか。現在も即興音楽で活躍する三人が、20年前の勢いと瞬発力を込めて本盤に収められている。

 内橋がフレーズに固執しないため、逆にナスノミツルの確かな低音や、メリハリ効いた芳垣安洋のリズムがメロディアスに感じられるパターンもしばしば。
 ギター・フレーズに反応して芳垣が譜割を合わせたかと思えば、一転して違う風景にナスノが誘う。インプロの緊張感をそのままに、鮮やかな場面展開が詰まった。
 着地点は逆にキメを意識せず、すとんと終わる。

 なおこのページによれば95年当時のアルタード・ステーツは月間で全12本のVHSもリリースしてた。聴いてみたいものだ。第4弾は本盤と同じ日の録音が収録された。音源もいっしょかな?
http://www.japanimprov.com/indies/zenbei/index.html

 (2)はチューニングしなおしから、そのまま即興へ雪崩れる。フレーズ感覚に日本的な情緒がうっすら漂った。そこまで意識してないかもしれないが。
 疾走の(1)と対照的に断片的な音が飛び交った。この辺の大きなメリハリの付け方に、三人のサービス精神が現れている。
 全く同じことをしない上に、どこか親しみやすさを残す。瞬間と全体の双方で流れを作った。

 (3)はノイジーに始まり、芳垣と内橋のシャウトの交錯で幕開け。いったんテンポを落としてスペイシーに漂わせたあと、一気に疾走。それも引っ張らずミドル・テンポで盛り上げた。さらにその後も速さと落差をもって攻め倒す。変拍子を明確に追わないが、小節感はかなり希薄だ。
 ところが中盤にはナスノのリフを軸にグルーヴィーにうねる。鋭角な即興だけでなく、ファンキーなノリもばっちり。さらにテンポは加速して、ギターが弾きまくらず間を生かしてリズム隊を引き立てた。最後は混沌の疾走に変化。
 どこまでもアルタードは予想と期待を裏切り続ける。

Track listing:
1.(21:05)
2.(5:57)
3.(24:30)

Personnel:
内橋和久 (guitar, effects)
ナスノミツル (bass)
芳垣安洋 (drums)

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