The Bandits 「The Electric 12 String」(1965)

 グレン・キャンベルが12弦を弾いたヒット曲のインスト集。

 この手のエレキ・インスト盤は当時に色々出てたみたい。わざわざオリジナルを聴かずにヒット曲のインスト集を求めるのはどういう客層だろう。不思議だ。 
 パーティなんかのBGMが目当てか。オリジナル・シングルをDJよろしく次々かける文化は当時に無かったろうし、そもそも著作権やらなにやらでまとめてLP一枚に仕立てるのは、いかなのどかな60年代と言えども無理だろう。

 この手の盤は聴けたらOKなわりに、ふた昔前はレア盤だった。今はMP3で容易に聴ける。ありがたい話だ。この業界に詳しくなく、細かい解説は不明。少し前に非常に詳しい日本語サイトあったのだが、閉鎖してしまった。
 演奏は一流のスタジオ・ミュージシャンたち。したがって粗製乱造と言え、演奏はそんなに悪くない。オールディーズに詳しい人の解説付きでこういうの聴いたら、楽しさは倍増するだろうに。

 
 ビーチ・ボーイズなどの文脈で名が出てくるシンガー/ギタリストのグレン・キャンベルが本盤の主役。12弦エレキギターでインストを弾いてる。テーマを元にアドリブするって趣向でなく、メロディをほぼ完コピ。
 スタジオでの疑似バンドと思うが、この名義でリリースは本盤のみらしい。荒っぽい演奏ながら、沸き立つ楽し気な雰囲気はあり。

 ざらついた弦の響きが狙いか。もう一人ギターを加えたコンボ編成でのどかにロックンロールを演奏した。

 二つのセッションをまとめたようだ。あまり時間かけずに作っていそう。A/B面でセッションを分けず、一曲ごとにそれぞれのセッションを並べたようす。

 セッションの一つが、ハル・ブレインら。こっちの鍵盤はレオン・ラッセルだ。
 顔ぶれからして3時間の1セッションでアルバム一枚くらいできそうな気もするが、そこまで粗製乱造ではなかったのかな。
 一流どころのブレイン組と、ちょっと落ちるメンバーでもう1セッションってことか。
 選曲はその時代のヒット曲が中心かな。ビートルズの2曲(A1,A2)を筆頭に、エヴァリー・ブラザーズの(B5)などポップスで攻める一方で、イパネマの娘などを選曲したり、ブルーズのA5やシュープリームズ(B2)もあり。バーズのB4も少し唐突。12弦ギターつながりか。
 意外とターゲット客層が謎である。いわゆる白人中産階級向けの毒の無いポップス集ということか。

 こういうのは後追いだとわからない。生の空気吸ってたら、ヒット曲の感覚が分かるはず。
 例えば最終曲の"White Silver Sand"。この曲は知らない。検索すると57年にDon Rondoがヒットさせたとある。65年発売の本盤で選曲の理由は、懐メロ感覚か。それとも誰かがリバイバル・ヒットさせてたのか。そのへんの時代感覚が分からない。
 なんとなくだけど、兄弟から親子まで楽しめるヒット曲集って、ぬるいコンセプトな気が正解な気がする。

Track listing:
A1 I Feel Fine
A2 Downtown
A3 Bandito
A4 And I Love Her
A5 Baby What You Want Me To Do
A6 The Girl From Ipanema
B1 Memphis
B2 Where Did Our Love Go
B3 Only The Young
B4 You Won't Have To Cry
B5 Cathy's Clown
B6 White Silver Sands

Glen Campbell: Electric 12 String Rickenbacher

on A2, A4, A5, B1, B2, B3, B5
Russell Bridges(Leon Russell): electric piano
Larry Knechtel: bass
Hal Blaine: drums
Jerry Kolbrak: guitar

on A1, A3, A6, B4, B6
Jerry Cole: guitar, bass
Ray Johnson: electric piano
David Gates: guitar
Thomas Gillam: drums

Producer -James Dickson

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