Colin Hay 「American Sunshine」(2009)

 のびのびとカントリーを取り入れ充実したロック・アルバムに仕上げた。

 どの曲も瑞々しい。コリン・ヘイは完全に吹っ切ったマイペースを手に入れた。カントリー要素を滑らかに曲へ取り入れ、穏やかで溌剌な世界を描く。本作は自宅カリフォルニアとナッシュヴィルでのセッションを組み合わせた。ほのぼのしたカントリーと、そもそもの元味である乾いたセンスがきれいにハマってる。

 共作もあるがすべて自作。共同プロデューサーにMichael Georgiadesを立てた。彼は77年に元イーグルスのBernie LeadonとThe Bernie Leadon-Michael Georgiades Bandを組み、アルバム"Natural Progressions"を残した。


 ミュージシャンは前作に参加した顔ぶれもいるが、むしろナッシュヴィルのスタジオ・ミュージシャンを起用したほうが多い。馴染んだ空気と本場のカントリー、複数の要素を自然に混ぜる。

 珍しいところではデイヴ・リー・ロスのバンドに参加した凄腕ドラマー、グレッグ・ビソネッティが(5)で叩いてる。むしろハードロックなブルーズに通じる(10)のほうが似合いそうなのに。
 そもそもどういう流れの参加だろう。単なるお仕事、か。彼はおよそカントリーのイメージなかったが、硬い芯でタイトに決めている。

 アルバムのムードは冒険や挑戦でない。円熟を目指した。しかしマンネリやワンパターンとは無縁だ。アレンジは多彩に試みた。
 弾き語り(9)からMen at Workをほうふつとさせる(3)や(5)、ブルージーな(6)、スケール大きいロック・アレンジの(8)(10)と幅広い。
 カントリー風味のほうも素朴なスタンダード風に仕上げた(1)、乾いたエレキの味の(2)や(7)、寛いだ(4)など多様。そして最後はインストで静かに幕を下ろした。
 丁寧に作りこみ、なおかつ自然体。歳を重ねて余裕とゆとりを持ちながら、たんなるレイド・バックの退屈さに陥らない。 

Track listing:
1 Oh California 3:55
2 Prison Time 3:59
3 There's Water Over You 3:52
4 I Came Into Your Store 3:09
5 No Time 2:56
6 Broken Love 3:50
7 I Can't Get Up Out Of This Bed 3:28
8 The End Of Wilhelmina 3:31
9 Baby Can I See You Tonight? 4:30
10 Pleased To Almost Meet You 2:55
11 American Sunshine (Instrumental) 3:59

Personnel:
Vocals, Guitar, Harmonium, Piano - Colin Hay

Bass Kaveh Rastegar on 1,2,5、Steve Mackey on 3,6,10、Alison Prestwood on 4,8,11、Kaveh Rastegar on 5,7
Congas, Percussion - Luis Conte on 1
Bongos - Chad Fischer on 2

Drums - Charlie Paxson on 1,2,7、Shannon Forrest on 3,4,6,8,10,11、Greg Bissonette on 5

Guitar - Michael Georgiades on 1-4,6,8,11
Electric Guitar - Toshi Yanagi on 2,5
Harmony Vocals - Cecilia Noel on 1,2,5,7,8,10、Juan Pablo Fallucca on 10

Piano, Organ [Hammond] - Mark T. Jordan on 3

Piano [Wurlitzer] - Mark T. Jordan on 4,6,8,10,11
Piano, Strings, Harmonium - Frederick J. Kron on 4,5

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