Momus 「20 Vodka Jellies」(1996)

 蔵出しレア曲集。デモやB面曲など、寄せ集めだが愛おしいポップス集。ジャケは各国盤で二種類あり。
 

 92年頃の録音が中心。前作がセルフ・カバー集"Slender Sherbet"(1995)。そして編集盤的なアルバムと、順調なリリースに見えてモーマスは煮詰まっていたのかもしれない。少なくともビジネス的には、このあと、どんどんモーマスは突き抜けた内省さ、孤高の世界へ進む。

 全20曲とボリュームたっぷりの作品。ほとんどがモーマスの多重録音で、デモもある。しかしのちのサウンドに慣れると、本盤でもゴージャスなくらい。簡素なアレンジでも、きっちりポップに仕上げている。ぼくは後追いで本盤を聴いたため、いっそ作りこんだように感じた。
 
 (1)~(5)はカヒミ・カリィ"I Am A Kitten"(1995)に提供した全曲のデモ。クレジットによれば94~95年に作りためてたらしい。
 (6)は87年作曲で92年に録音したアウトテイク。

(7)と(20)はポイズン・ガールフレンド"Shyness"(1993)に提供。"The Philosophy Of Momus"(1995)からシングル"The Sadness Of Things"のB面曲でもある。
 (8)と(10)も同じシングルに収録された。
 (9)は94年の未発表曲か。クレジットに"Thanks to Regina Joseph and Blender ROM-zine"とありCD-ROMマガジンに提供曲かもしれない。

 (11)~(14)は92年録音。デモかな。しかしエレキやアコギとリズムボックスを使ったアレンジは後年の作品に比べたら、よほどきっちり作りこまれた感あり。

 (15)はカヒミ・カリィのシングル"Good Morning World"(1995)に提供のモーマス版。 (16)が93年、(17)は90年、(18)は94年のアウトテイク。折々に録音は残ってたらしい。 (19)は76年の曲で95年に録音も没曲。

 このように過去数年の寄せ集め。アルバムはむしろ散漫だが、繰り返すけれど後年のサウンドに比較したらよほど作りこまれてるし、なおかつとっ散らかり振りも気にならない。 
 日記のように曲を書き、アルバムにまとめるモーマスらしい一枚かもしれない。

 アコギのストロークと多重ボーカルがそこかしこではじけ、むしろ明るいムードが漂う。囚われない鷹揚さが良い方向に出た、ごった煮感が楽しいアルバム。
 危なっかしいメロディの流れも、どこか制御やアレンジの視点が残っている。

Track listing:
1 I Am A Kitten 2:48
2 Vogue Bambini 3:05
3 The Poisoners 3:13
4 Nikon 2 3:29
5 Giapponese A Roma 3:23
6 Paolo 5:05
7 The End Of History 4:07
8 London 1888 4:30
9 Streetlamp Soliloquy 4:18
10 An Inflatable Doll 2:49
11 Saved 3:40
12 Someone 3:33
13 Howard Hughes 3:16
14 Three Beasts 3:57
15 Good Morning World 3:33
16 Germania 3:23
17 The Girl With No Body 2:49
18 Radiant Night 4:42
19 Orgasm Addict 4:22
20 Nobody 4:12

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