Ponta Box 「NYPB」(2001)

 ゲストを的確に入れ、キュッとしまったプログレ風に仕上げた。ハイテクニックのスピーディな演奏が楽しめる。

 バカボン鈴木が抜け村上ポンタ秀一と佐山雅弘の二人になった第三期Ponta Boxで初となる、二年ぶりの8thアルバム。
 村田陽一をプロデューサーに迎え、ベースをWill LeeとAnthony Jacksonの二人を起用した。
 基本はピアノ・トリオ編成だが、曲によってホーン隊を足してサウンドにバラエティさを出した。

 なおこの時期、ポンタは体調を崩していたのかCD裏には病院のベッドに座る写真もさりげなく記載あり。

 ホーン隊やギターが入ったのは1,3,5,12。ポイントごとに編成を増やすことでアルバムのメリハリを付けた。全員が凄腕で変拍子まみれの複雑な曲ながら、タイトな演奏がビシバシ決まって痛快だ。

 なお楽曲は4,7,15が佐山。6が村上と佐山、8と10-14の組曲が村上と村田の共作。あとはすべて村田の作品だ。村上は我をむやみに出さず、一歩引いて本盤を作った感が漂う。
 ドラム演奏は歯切れよく、そしてわずかに揺れる。そのリズム感こそがポンタの持ち味か。マシンのような正確性に留まらぬ味わいとノリがある。

 ストレートなジャズを基軸に置きながらも、ひんぱんにフレーズのキメが入るあたりはがっちりとアレンジされた。アドリブよりもフュージョン的なアプローチ。(9)以降の組曲はむしろプログレ寄りの構築美も見せた。

 ずしんと胴鳴りしながら小気味よくはじけるドラム、ピアノとシンセを使い分ける華やかな鍵盤を、テクニカルなフレーズで二人のベースが支える。
 毒は控えつつ、きれいにまとめすぎてもいない。隙が無いポップなフュージョンに仕上げた。むしろテクニックひけらかしに留まらず楽曲のコンセプトに寄ったぶんだけ、プログレのほうが似合うかもしれない。
 ミュージシャンの鋭さよりも、楽曲の表現に軸足が置かれている。

Track listing:
1 Vamps
2 The 7th Of Wonder
3 N.Y.U
4 What's Henry
5 A New Found Love
6 Gone, With Just Like Sharaku
7 Indigo Blue
8 Five Steps To Seven
The Sixth Sense Suites
9 Collage 1
10 Collage 2
11 Collage 3
12 Collage 4
13 Collage 5
14 Collage 6
15 Setting Oval Moon

Personnel:
村上ポンタ秀一(Ds)佐山雅弘(Pf,Key)

Will Lee(B)on 1,3,4,9,14
Anthony Jackson(B)on 2,5-8,10-14

村田陽一(Produce/Arrange、Tb on 1,3、synth on 3,9,10,12-14,Beer Bottle flute on 11)

Eddie Martinez(El-g)on 1,3
Romero Lubambo(Ac-g)on 5,12
Brian Lynch(Tp)on 3
Andy Snitzer(Ts)on 3
Dave Samuels(Vib)on 5

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