梅津和時 「Eclecticism-折衷主義-」(1993)

 バブル残滓の93年にNYで雄々しく激しいジャズを炸裂させた一枚。

 マーク・リボーを筆頭にラウンジ・リザーズ組のds,tbを招き、さらにCurtis FowlkesとThe Jazz Passengersで共演歴あるBrad Jonesを引っ張り込む。そして当時のNYでは気鋭であり、日本在住歴もあるSamm Bennettを加えた6人編成のアンサンブル。
 92年10月27日にNY ニッティング・ファクトリーでライブ録音された。

 全8曲、全て梅津の楽曲。3~10分弱と次々に曲をこなしつつ、リボーのギターを筆頭にきっちり各人に見せ場も与える。けれどコントロールされたサックスをそのままに、見事に制御された演奏で隙が無いあたり、きっちりした梅津らしいサウンドだ。

 ジャズを基調に前衛ロックの要素をパラリ。楽曲ごとにリズム・パターンやコンセプトを変えイメージを統一しづらい演奏を行った。
 むしろこのつかみどころ無さが梅津らしい、のかも。うなりを上げフリーキーになっても、しっかり制御された抜群のサックスが冴えわたった。

 テーマは隙無く演奏された。各人のテクニックをさておいても、きっちりとアレンジされた様子が伺える。アドリブではかなりフリーに任されてる感じ。いわゆるソロを与える場合と、インプロに突き進む場合に分かれているようだ。

 あくまで主役は梅津ながらギターやトロンボーンにも潤沢なスペースを与えることで、サウンドに混沌さと厚みを付与した。手数多く安定したビートを軸に、リボーの歯切れ良いギターがリズムに細かい味わいを足す。


Track listing:
1 Yakitori 9:41
2 Western Picaro 5:27
3 Juicy Mami 6:22
4 Horse Work 3:25
5 Stable Seven (Dedicated To Rahsaan Roland Kirk) 5:19
6 Lulu & Roro 7:09
7 Junk 3:19
8 Ballet Dancer 2:58

Personnel:
梅津和時:as
Marc Ribot:g
Curtis Fowlkes:tb
Brad Jones:b
Samm Bennett:per
Dougie Bowne:ds

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