Fedayien 「フェダイン! 」(2000)

 オリジナルとして最後の作品。バラエティに富んだゲストを招き、逆にフェダイン単独スタンスとして微妙な立ち位置となった。

 全6曲の作曲はすべて川下、プロデュースは不破と発売元な地底レコードの吉田光利が行っている。
録音は江古田Buddyだが、収録日はクレジットが無い。さらに(3)(6)は吉祥寺GOKスタジオで録られた。録音当時に解散が決まっていたかはわからない。しかしなんとも寂しい。
 ゲストを招き、スタジオで録音という。過去のライブ演奏にこだわり、三人の濃密さを奔出させるアプローチから微妙に変わってしまった。フェダインの三人のみで聴けるのは(4)のみだ。

 CDだけ聴いてたら、新曲がずらり並ぶ格好だ。たぶんライブではとっくに演奏しまくっていたのだろう。
 2ndから再演の(2)、前のメールス・ライブ盤で初披露の(4)を除いて、全て初CD化。(2)(3)と後の川下トリオに通じる重要なレパートリーが音源化された。さらにフェダインのライブでは二本吹きが痛快だった(6)のCD化も嬉しい。

 演奏は素晴らしい。ゲストも凄腕ぞろいで、丁々発止の乱打戦を繰り広げ、決して上品なソロ回しに留まらない。強固なアンサンブルを誇るフェダインは、ゲストが入っても持ち味を崩さず、貪欲に様々な音楽を吸収した。

 素直に演奏へ目を向けたら、熱いセッションが詰まった。歯切れ良いドラムと、芳醇なベースも確かにある。
伸びやかなサックスは見事にコントロールされている。きれいなだけではない。軋みながら倍音たっぷりにばらまく、川下の音色がある一方で、きちんと整った吹き方が並列した。川下のサックスはテクニックとして、あの暴れる音色なのだ。

 文句なく、良い演奏ばかり。ただしフェダイン単独で突き進まぬ方向性に、少し胸が締め付けられる。

Track listing:
1. RIVER~UMI
2. UME ROCKO
3. NEAPOLITAN
4. CAPPLYSO
5. RIVER SPACE
6. TOKI

Personnel:
川下直広sopranosax,tenorsax,six strings electric violin
不破大輔bass
大沼志朗drums

Guest :
太田恵資 violin on 1
山本俊自 flute on 1
梅津和時 alto sax on 2,5
山崎弘一 bass,arco bass on 3,5

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