Fedayien 「Fedayien IV」(1997)

 不遇で謎のリリースだったが、内容は折り紙付きのセッション。

 たて続けにリリースされた2nd & 3rdから間が空き、94年に京都の拾得でライブ録音の4th。(2)はギターにカズ中原が参加した。
 なぜか当時にリリースされず、のちに不破大輔の自主レーベル「月間不破大輔」と、川下直弘の自主レーベル「マネキネコ商会」から相次いでCD-R発売された。
 この渋さ知らズ公式サイトに投稿によれば、収録直後にマスターテープが行方不明とレコード会社の倒産(ナツメグのことか)が重なり、当時にリリースしそびれたらしい。
 http://shibusa.net/archives/671

 収録は2曲。"Miles and Half"の入った3曲入りバージョンもあるらしい。(1)が28分、(2)が22分とたっぷりのボリューム。ほぼライブ1セット分が入った格好だ。

 (1)が特に嬉しい。ブリジット・フォンテーヌのカバーで、後年のライブでも定番だった。切ないメロディが繰り返され、センチメンタルだがガッシリと高まっていくさまが美しい。
 本盤では中盤にエレクトリック・バイオリンに持ち替えて、スペイシーな世界も描く。この曲は力押し一辺倒でなく、まさにアンサンブル全体が緩急を効かせて揺れていくさまが、抜群にかっこいい。
 中盤で穏やかな風景を魅せて、そのあとはテナーに持ち替え疾走していくメリハリが決まってる。
 
 だんだんサックスの音色はコントロールされてるが、それでも倍音をたっぷり含み軋む川下流の奏法あり。途中で入るオルガン音色もカズ中原かなあ。なんか謎が残る録音だ。

 (2)は3rd収録曲の再演。どちらも30分近い演奏になるのは、ライブでの定番だったようだ。特に決め事は厳格になさそうだが、大まかな構成や流れは崩れないものらしい。
 抽象的なフリーが炸裂していく。中原の演奏も気心知れた仲をさっぴいても、フェダインの演奏と調和している。決して独善的にならず、ゲストも鷹揚に迎え入れてサウンドを構築できる、三人の懐深さが証明された逸品。
 フェダインはがっちり固まってるように見えて、柔軟だ。

 今は本盤、どのていど入手性が可能なんだろう。とにかく見つけたら、聴いて欲しい。
 凄いから。

Track listing:
1.パリの空の下~ラジヲのように
2.ダバダバダバ

Personnel:
川下直広:sopranosax,tenorsax,six strings electric violin
不破大輔:bass
大沼志朗:drums

カズ中原:g on 2

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