Gary Taylor 「Square One」(1993)

 緩やかなダンディズムで歌う、打ち込みソウル・アルバム。

 ゲイリー・テイラーはLA出身の作曲家/歌手。代表曲としてAnita Baker"Good Love"(1988)やGrover Washington, Jr."Keep in Touch"(1987)などがある。
 

 自らも歌手として活動しており、"GT"(1983)でデビュー。91年と比較的早い時期から自らのレーベルMorning Crewを立ち上げ、独立独歩の活躍をしてきた。本盤はその自レーベルから2作目、4thソロにあたる。
 
 彼の活動は追っていなかったが、着実に活動していた。数年おきにアルバムを発表して9th"Retro Blackness "(2006)が最新作。レーベルとしてWebを2013年に立ち上げて次作"Acoustic Therapy"の発表を告知するものの、2015年頃からWeb更新は無い。いまだに"Acoustic Therapy"は未発表のままみたい。
http://www.morningcrew.com/index.html
 ツイッターのアカウントは消え、facebookのアカウントでは今年2月に投稿あるものの、果たしてこれはテイラー本人だろうか。何にせよ、今は活動が見えない。 

 そもそも僕は彼のことをよく知らず、当時のインディ・ソウルの一環で何となくリアルタイムで入手した。特段聴きこんだわけでもない。久しぶり、たぶん20年ぶりに聴き返してる。
 CDも2バージョンあり。1stプレスが12曲入り。裏ジャケで「CDには2曲のボートラ」と書いてある版だ。LPと並行発売な時代ならではの記載。これに1曲"Restless"をアルバムの最後に足して、ジャケットを変えた全13曲の盤が、AmazonのMP3で今も流通が2ndプレスになる。本盤には(3)のPVもあり。知らなかった。
 

 演奏は基本、テイラー自身の打ち込み。数曲でギターやサックスにゲストを招く程度。基本はすべて自分でこなした。予算をかけず作り上げている。しかし丁寧な音色使いと、ゆったりしたリバーブ感で、チープさはない。シンプルなソウルに仕上がった。この辺がセンス、かな。

 派手に喉を張らない。甘く緩やかにメロディを紡いでいく。アルバムのムードもミドル~バラードを並べて、穏やかでムーディな世界を余裕たっぷりに描いた。夜にしっとり聴くのが似合うアルバムだ。
 メロディの確かさで寛いだ雰囲気の盤。ひさしぶりに通して聴いたら(7)が特に耳を惹いた。
 シンプルなリズムにあっさりとした鍵盤アレンジで、多重コーラスは硬めに描く。そして甘くリード・ボーカルを載せていった。詰め込まないが、隙も無い。

 ちょっと検索したが、過去作もMP3で入手ができるようだ。1stCDも11年に日本で世界初CD化されている。

[discography]
GT (1983) A&M Records
Compassion (1988) Virgin Records
Take Control (1991) Morning Crew Records
Square One (1993) Morning Crew Records
The Mood of Midnight (1995) Morning Crew Records
Love Dance (1998) Morning Crew Records
Under the Nightlight (2001) Morning Crew Records
Eclectic Bohemian (2003) Morning Crew Records
Retro Blackness (2006) Morning Crew Records

        

Track listing:
1 Square One
2 I Need You Now
3 Eye To Eye
4 Irresistible Love
5 Pieces
6 Hold Me Accountable
7 Blind To It All
8 Read Between The Lines
9 A.P.B.
10 Never Too Blue
11 One And Only
12 Blind To It All... (Soft Mix)
 

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