Abdulai Bangoura 「Sigiri」(1999)

 アフリカのパーカッション・ソロなアルバム。鋭角なリズムが心地よい。

 西アフリカはギニア出身のパーカッション奏者、アブドゥレイ・バングーラのソロ。経歴はよくわからない。リーダー作は本盤のみかな。Discogsではジェイン・コルテス(オーネット・コールマンの過去の妻)のアルバムで数枚参加してるようだが、今現在までどんな活動かも分からなかった。
 本盤は90年にフィールド録音とある。場所は不明。ジョン・ゾーンがTZADIKの前にディスク・ユニオンと組んでたレーベル、AVANから99年に発売された。

 (1)(3)(6)はジャンベ、(2)に(5)はバラフォン、(4)がンビーラのソロ。

 (1)は強力なビートの奔流で思い切りグルーヴさせるが、(2)以降では例えばカクラバ・ロビのように伝統音楽に根差したアフリカ的なエキゾティシズムより、テクノに通じる鋭角なパターンがうっすら漂う。
 これが本盤の帯に言う「西洋とアフリカ音楽の融合」か。メロディアスさが、すっと耳に入ってくる。

 手数多く叩きのめし、テクニックは確か。さらに西洋やアラブ音楽も吸収した雑多なアプローチながら、奇矯や前衛目指して無理に背伸びせず媚びず。いたずらなフュージョン路線ではないため、素直にビートの嵐を楽しめる。
 乱打でなくパターンをジワッと展開させていくため、ビートの流れは一定じゃないが、滑らかに音世界へ入れた。

 (3)や(5)のドライな音使いは、根底にあるアフリカ音楽の雑多さを超えて整った西洋音楽寄りの風景を描く。それが嫌味でなく聴けるのは、そもそもの確かなパーカッション・テクニックなのだろう。
 
 西洋との混淆がくっきりで圧倒的なのが(4)。これはンビーラか。ものすごいハイテクニックだ。低音は床を踏んでるのかも。高速フレーズが溢れ、複音で溢れる。
 2分強と本盤で小品だが、この世界でアルバム一枚を聴いてみたかった。すさまじい音像に浸れそう。

 最終曲(6)もジャンベのソロながら、ドラム・セットでの演奏を聴いてるようだ。それくらいリズムは硬質で鋭角的。しかし体から滲む芳醇なビート感で、音楽のグルーヴは保たれている。
 西洋かぶれでなく、あくまでも混淆。そんな自らのルーツを大事にするプライドが伝わる。

Track listing:
1 Melange 13:23
2 Fakoli 7:08
3 L'Amite 6:36
4 Kayiroba 2:03
5 Sigiri 9:00
6 Sorsome 6:43

Personnel:
Abdulai Bangoura:djembe,Kalimba,Balafon,Voice
Executive Producer John Zorn
Mastered By Allan Tucker
Producer Mark Seidenfeld

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