Paul M 「Up 'N High」(2006)

 スウェーデンの黒人歌手、たぶん唯一のアルバム。

 細かい経歴はたどれず。レコード会社のDaddy Cool Music SwedenもDisccogsからは彼の作品しか出ておらず、自主レーベルかもしれない。
 裏ジャケでギターを構える姿もあるが、本盤のクレジットはボーカルのみ。プロデュースと作曲協力、全演奏はMats Berntoftが担当した。彼の詳細も不明だが、Discogsでは90枚ほどプロデュース作が出てくる。スウェーデンで活動するプロデューサーかな。

 Paul Mとして04年からシングル3枚を出し、おもむろの1stが本作。
 シングルの1st"Who Do You Believe",2nd"Princess Of My Heart"は本盤に未収録。3rd"How Many Times"は本盤の(9)。先行シングルって扱いだったのかも。
 なおこの盤のあとは、CD Babyで07年にシングル"Please Forgive Me"をリリースしていた。
https://www.cdbaby.com/cd/paulmsoul2
 
 トラックは打ち込み中心のエレクトロ系。Paul Mは線の細い歌声で多重ボーカルにて厚みを出す。ファルセット寄りの歌唱法で英国ソウルを連想した。(6)で喉を絞った地声を使ったり、多様性は意識してる。

 全体的に中庸。弾けず、甘さにも雪崩れない。したがって隙を出さず、そつなくまとめてる。ファンクの要素は無く、むしろポップ寄り。そこへわずかにグルーヴが滲む。
 Paul Mは癖やこだわりなく色んな曲を器用に歌った。強力な名盤とは言わないが、さらり聴いたら意外と楽しめる。
 90年代ソウル直系のぺたりと張り付くような和音感の多重ハーモニーがきれいに決まった。

 シンプルなトラックにしっとりとコーラスが重なった(7)や、キュートに弾むビートが効果的な(9)が良い曲。シンプルなビートに多重の歌声が絡み合うとこが心地よい。

 プロデュースの問題だな。アルバムの前半はちょっと厚めに伴奏を盛りすぎ。この(7)みたく全体的に軽くしてくれたら僕の好みだ。



Track listing:
1 Queen Of The Night
2 Master Of Your Soul
3 Meant To Be
4 Only You
5 You Decide
6 Why Does It
7 If I
8 Chocolate
9 How Many Times
10 No Where To Hide
11 Tell Your Story

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