Circular Firing Squad 「Oxide」(1997)

 4人組の無秩序な即興集団によるたぶん唯一のアルバム。

 Amazonでは入手困難だが、Bandcampで購入は可能。

 
 詳細は不明だが4人組のユニットで、メンバーのうちDavid KwanとXopher Davidsonはユニットでのアルバムが同じくBandcampにいくつかあった。最新は2016年リリースの"Peripheral"。まだ音楽活動を続けてるらしい。


 本盤は3曲入り。ノイズ寄りのインプロが淡々と続く。もともとはコンボ編成のライブのようだ。95年10月19日にDATへライブ録音とある。

 (1)は金属質な響きとロングトーンのシンセがうごめき、ドラム・セットやエレキギターやベース、サックスっぽい唸りも滲む。

 (2)だとシンセ・ビートを軸にカットアップ風の金属打音が絡んでいく。前衛テクノな趣きで、小節感や構成は希薄だが一応の流れを作った。チップチューン風の古めかしい電子音が溢れてくる。だがそれで全編を覆わず、再び抽象的な闇の広がりに向かう。このつかみどころ無い風景が、彼らの持ち味なのだろう。
 
 (3)の冒頭も鐘とノイズが交互に現れる。この辺は作曲か。それとも自然発生の対話か。やがてこれもモヤっとした風景に溶けていく。

 スカムでも音響系でもない、淡々とした重苦しいアンビエントな音像。炸裂や持続とも違う。生楽器によるノイズが狙いか。軋む音や質感から電気仕掛けのコラージュに最初は聴こえてしまう。
 音楽に脈絡や構造は無い。アイディアのまま音楽が続き、そして淡々と風景が変わっていく。ポリシーがつかめないため、とっつきは悪い。ソロ回しとも集団即興とも違うが、一応は喧嘩しあわず見せ場を譲り合い、滅茶苦茶な混沌でもない。

 ないない尽くしで、説明にもならない。本盤の狙いは真剣なノイズ。はしゃぎや適当な遊びと異なる。意味性の解体を真剣に模索した。観客という第三者へアピール要素が希薄なため、自己満足に終わりかねない危ういアプローチだが。
 妙なアート志向へ向かわず、個々の音を尊重し合うスタンスが、ぎりぎり本盤を鑑賞に堪える不定形なインプロに成立させた。

 つかみどころは無い。けれども何か、変てこな音楽を作ろうとする。そんな意図を探りながら聴いてるうちに、どんどん音楽は進んでいく。意味性のアピールが無いからこそ、聴きながら奏者の方法論を想像してるうちに時が経過していく。

 ざらついたノイズ・アンビエントのBGMにぴったりかも。極端な起伏は無いが、ドローンとは違う音像の変化が聴ける。

Track listing:
1.Floating Threshold 23:29
2.Inertialess Drive 12:51
3.Moraine 21:46

Personnel:
Eva Baumgartner
Xopher Davidson
David Kwan
Tim Walters

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